• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

歩行中の注意負荷量に対応する歩行調節能力を指標とした転倒予防戦略の構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K11171
研究機関神奈川県立保健福祉大学

研究代表者

鈴木 智高  神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (00576382)

研究分担者 菅原 憲一  神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (90280198)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード注意 / 歩行 / 反応時間 / トレッドミル
研究実績の概要

注意機能の低下は転倒リスク要因の1つである。我々は歩行中の注意機能を簡便に評価可能な方法を開発し、これまでの研究から注意需要の変化に応じて歩行速度も変化するという知見を得た。このような歩行調節能力をより詳細に分析するために、本研究では段階的な注意負荷量の増加に伴う快適な定速歩行および変速歩行中の注意機能と歩行パラメータの分析を行った。
直線路快適歩行における注意需要と歩行制御の変化を調べる研究に関して、本研究で採用した難易度の異なる認知課題において、そのパフォーマンスは難易度の増加に伴い明らかな低下がみられた。一方で、反応時間の変化は段階的になっておらず、中程度から高度な難易度においては注意需要の変化に天井効果が生じていると考えられた。また、歩行分析において算出したパラメータである歩幅、ステップ時間、歩行速度はいずれも明らかな認知課題の影響を受けることなく維持されることが示された。
変速型トレッドミル歩行における注意需要と歩行制御の変化を調べる研究に関して、定速歩行に対して変速歩行で反応時間の遅延が生じていないことから、一定周期の歩行速度の制御では認知課題の遂行に関わらず注意需要の増加は限定的であると推察された。また、認知課題を負荷しても歩行パラメータに著明な変化は生じなかった。ただし、減速から加速に至る速度調節の制御においてステップ時間の短縮がみられた。
両研究とも仮説と異なり、健常者の歩行調節能力であれば大きく歩行パターンを変化させることなく安定した歩行動作を維持できることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

変速型トレッドミルのメンテナンスに時間を要しており、変速型トレッドミル歩行研究においてもう少しサンプルを増やす予定である。続いて、現在の変速設定では安定した歩行制御が可能であるため、変速条件を修正して更なる研究を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

仮説とは異なり、直線路自由歩行研究および変速型トレッドミル歩行研究において、設定した課題では比較的安定した歩行制御が可能であった。この知見に関しては、健常者の歩行調節能力を詳細に明らかにしたものである。一方で、本研究の目的は、安定を得られる予備的な能力では対応が困難な状況における歩行制御動態を明らかにすることであるため、課題設定を修正する予定である。平地における変速歩行課題への移行においても、これまでの結果に基づいた課題設定を行い研究を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究の進行がやや遅れていることから、被検者謝礼、論文の校正費、旅費等の支出が少なく、これらに関しては次年度に使用していく予定である。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi