研究課題/領域番号 |
21K11176
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
森下 慎一郎 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (60635077)
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研究分担者 |
椿 淳裕 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50410262)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | がん / リハビリテーション / 運動 / 免疫機能 / 筋肉量 |
研究実績の概要 |
本研究では化学療法を受けた血液がん患者を対象とした。研究1では9名の血液がん患者を対象に握力、膝伸展筋力、6分間歩行テスト、倦怠感、身体組成、QOL評価(SF-36)を退院時と3ヶ月後に測定した。研究2では4名の血液がん患者を対象に免疫評価を退院時と1ヶ月後に測定した。 結果は左右握力および膝伸展筋力は退院時と比べると3ヶ月後で有意な変化は示さなかった。6分間歩行においても退院時と3ヶ月後で有意な変化は示さなかった。倦怠感も同様に退院時と比べて3ヶ月後では有意な変化を示さなかった。身体組成では骨格筋量、骨格筋量指数は退院時と比較すると3ヶ月後では有意な増大を示した(p<0.01)。QOLはSF-36の8つの下位尺度全てにおいて退院時と3ヶ月後では有意な変化は示さなかった。 免疫評価においてNK活性細胞は退院時と比較すると1ヶ月後では4名中3名で増大が認められた。Two-color CD16/CD56ではCD16(-)/CD56(+)は退院時と比べ1ヶ月後では4名中3名が低下を示した。CD16(-)/CD56(-)は退院時と比べ1ヶ月後では4名中4名において増大を認めた。CD16(+)/CD56(-)は退院時と比べ1ヶ月後では4名中3名が低下を示した。CD16(+)/CD56(+)では退院時と比べ1ヶ月後では4名中3名が低下を示した。TNF-αは退院時と比較すると4名中2名で増大を示し、4名中1名では低下を示した。IL-6は退院時と比較すると4名中2名で増大を示し、4名中2名は低下を示した。 血液がん患者に対し化学療法を行うとNK細胞活性が低下することが知られている。本研究では4名中3名が退院時に比べると1ヶ月後では増大しており、一時的に低下したNK細胞活性がふたたび増加している可能性を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の拡大により診療体制の変更となり、リハビリテーション介入が中断された影響もあり、現時点で進捗がやや遅れている。2021年度は十分なリクルートが行えなかったもののパイロット的な研究の開始はできた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は対象者のさらなる集約を図り免疫機能と身体機能の関連性の因果関係について分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の拡大により予定していた国際学会がオンラインに変更になったため、使用額に差が生じた。しかし、研究遂行上は特に影響しない。
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