化学療法を受けた血液がん患者を18名を6分間歩行低下群(N=5名)と6分間歩行増加群(N=13名)の2群に分けて、6分間歩行距離、握力、膝伸展筋力、筋肉量、骨格筋指数、栄養状態、QOL、免疫細胞と炎症性サイトカイン結果を退院時と退院1ヶ月後で比較検討した。ベースラインの時点で両群間において年齢、性別、身長、体重に有意な差は認めなかった。 6分間歩行低下群は6分間歩行距離、握力、膝伸展筋力、筋肉量、骨格筋指数、栄養状態、QOLの下位項目および免疫細胞と炎症性サイトカインの項目において退院時と退院1ヶ月後で有意差は認めなかった。 6分間歩行増加群は6分間歩行距離、握力、膝伸展筋力、骨格筋指数、栄養状態において退院時に比べ、退院1ヶ月後では有意な増加を認めた(p<0.05)。また、QOLの下位尺度である日常役割機能(身体)、体の痛み、社会生活機能において退院時に比べ、退院1ヶ月後では有意な増加を認めた(p<0.05)。免疫細胞の1つであるCD16(-)/CD56(+)は退院時に比べ、退院1ヶ月後では有意な低下を認めた(p<0.05)。 各測定項目の群間と時期における交互作用をみると、各項目において交互作用は認めなかった。 退院1か月後、6分間歩行が増加する血液がん患者は筋力や筋肉量のみでなく、QOLも増加する傾向がある。しかしながら、この時期には免疫細胞や炎症性サイトカインには影響を及ぼしていなかった。
|