研究課題/領域番号 |
21K11188
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
立谷 大介 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (20814263)
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研究分担者 |
佐藤 匡 東北大学, 歯学研究科, 講師 (40637964)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 摂食嚥下障害 |
研究実績の概要 |
本申請課題は、中枢性筋萎縮症を含む多くの運動障害性疾患では嚥下に関する病態に不明な点が多いため、運動障害性疾患において嚥下運動にどのような影響をもたらすかを、中枢性筋萎縮症モデルマウスを用いて明らかにすることを目的としておこなわれている。さらには嚥下障害発生メカニズムの解明ならびに、その改善方法の確立を目標としている。摂食嚥下は、三叉神経・舌咽神経・迷走神経・舌下神経による感覚や運動の情報伝達及び調節により行われている。これまでの研究成果として、ワイルドタイプマウスと中枢性筋萎縮症モデルマウスを比較すると、中枢性筋萎縮症モデルマウスの三叉神経節では約30%の感覚ニューロンが減少しており、特に大型のニューロンが減少している可能性があることを報告してきた。 そこで、本年度は中型から大型のニューロンが発現しているタンパクに着目し、その抗体を用いて免疫染色をおこなった。その後、陽性ニューロンの数の比較や陽性ニューロンの細胞体の大きさを計測し比較検討した。その結果、ワイルドタイプマウスに比べて中枢性筋萎縮症モデルマウスの三叉神経節では、陽性ニューロンの数が優位に減少していた。さらに、陽性ニューロンの細胞体の大きさについても分析したところ、中間報告として分布に変化がみられたが分析を終えることはできなかった。これまでの所見から、中枢性筋萎縮症モデルマウスでは三叉神経節の大型ニューロンに変性が生じている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は中型から大型のニューロンが発現しているタンパクに着目し、その抗体を用いて免疫染色をおこなったところ、陽性ニューロンの数が減少していた。さらには、陽性ニューロンの細胞体の大きさを計測したところ、大きさの分布に変化がみられる可能性があるが分析を終えることはできなかった。したがって、本研究課題は現在までに、おおむね順調に進捗していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては、まず、本年度途中までしか解析を終えることができなかった、陽性ニューロンの細胞体の大きさについて計測を終える予定である。さらに、論文執筆に向けて追加の研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね研究計画が順調に進んだが、コロナ禍等による影響で、試薬の一部が年度内に購入することができなかったため、次年度使用額が発生した。 次年度の予算と合わせて執行する予定である.
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