研究課題/領域番号 |
21K11193
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田中 悟郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (00253691)
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研究分担者 |
稲富 宏之 京都大学, 医学研究科, 教授 (10295107)
岩永 竜一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40305389)
今村 明 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (40325642)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 精神障害 / リカバリー / ピアサポート / 共同創造 / 学び |
研究実績の概要 |
初年度はパイロット研究を実施した。厚生労働省の「障害者ピアサポート研修事業実施要綱」に示された標準的カリキュラム及びテキストを参考にしてリカバリー志向型学習プログラムを実践し、プログラムの内容を確立した。 本プログラムの目的は、認知(自動思考)の修正(セルフスティグマの軽減)と、それに伴う気分・感情の改善、そしてより適切な対処行動(ピアサポート)の獲得によるリカバリーの推進である。本プログラムは、全9回(各約3時間、週1回、対面及びオンラインの混合型)から構成され、(1)障害者当事者は「Expert by Experience(経験のある当事者専門家)」、(2)当事者と専門職の共同創造(co-production)という理念のもと、地域で活動している精神障害者ピアサポーター6名と専門職が協働しながら実施した。また、参加者同士の協働及び対話などを通じ、自己の考えをしなやかに広げ深める「主体的・対話的な学び」を実現できるように努めた。 今回の対象者は精神障害者24名と障害福祉サービス事業所等の職員4名の計28名で、本プログラムの修了者数は24名(修了率92.3%)であった。修了時の受講者のプログラムへの満足度は、「満足」17名(71%)、「やや満足」6名(25%)、「どちらともいえない」1名(4%)であった。「自分を振り返ること、自分の気持ちや考えや意見を文字として書けたことがとてもよかった。自分のリカバリーを思い出すこともこういう場だからできたと思います」という感想もあり、本プログラムの有効性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
厚生労働省の「障害者ピアサポート研修事業実施要綱」に示された標準的カリキュラム及びテキストを参考にして開発した「リカバリー志向型学習プログラム」を試み、その有効性を示唆するデータが得られた。
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今後の研究の推進方策 |
「リカバリー志向型学習プログラム」は、新型コロナウィルス感染拡大防止のための対策(3密の回避、マスク着用、手指消毒、換気、検温)を十分に講じた上で、対面及びオンラインの混合型で実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) コロナ禍による行動制限のため打合せ会議等の延期に伴い旅費等の執行がなくなったため。 (使用計画) 延期となった打合せ会議の旅費等に充てる予定。
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