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2022 年度 実施状況報告書

認知症患者に対する表情分析AIを用いたグループアクティビティの適正レベルの検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K11209
研究機関国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

神谷 正樹  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 作業療法士 (40790506)

研究分担者 近藤 和泉  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 病院長 (50215448)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード表情分析 / 軽度認知障害 / アルツハイマー型認知症
研究実績の概要

当センターでは、MCIおよび認知症者に対して有酸素運動、認知訓練、運動と認知訓練を組み合わせた二重課題、制作活動のリハを集団形態で行っており、それに参加中のMCI者9名および軽度・中等度AD者12名の計21名(年齢79±6歳、男性10名)を対象とした。4種の課題中に、対象者の顔を正面から小型カメラで撮影し、顔のパーツ位置の組み合わせから人工知能で感情値(怒り、軽蔑、嫌悪、恐怖、喜び、悲しみ、驚き)を推定する心sensor(株式会社シーエーシー)を用いて、各課題の感情値を算出した。MCI群とAD群の2群に分類し、各々の感情値を比較した(Mann-Whitney U検定、有意水準5%)。
有酸素運動時は、MCI群1.76[0.83-2.83]がAD群0.61[0.14-0.98]よりも怒りの感情値が有意に高く(p=0.045)、二重課題時はAD群8.02[1.03-17.05]がMCI群1.41[0.39-4.94]よりも恐怖の感情値が有意に高かった(p=0.044)。その他は、両群間に有意差を認めなかった。
MCI者に対する有酸素運動や二重課題が効果的であると報告されているが、今回の結果から有酸素運動時は「怒り」の感情値が高かったことを考えると適切な難易度の運動設定やインフォームドコンセントが必要と考えられた。また、AD者には身体活動を伴いながら認知的な思考が求められる二重課題は難易度が高く、同時に転倒リスクも高いため、難易度の高い課題に対する精神的緊張や転倒恐怖感に配慮した支援が必要と考えられた。
今後は、症例数を増やすとともに、今年度認知症予防学会への発表、ならびに英文での論文投稿を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年まではコロナ禍で表情分析が実施できない場面が多かったが、コロナ緩和とともに、症例数を増やすことができ、探索的な検討が可能となっている。

今後の研究の推進方策

まず、症例数の増加を考えており、研究期間を考慮すると30例まで増やす予定である。
同時に、解析作業を進め、今年度認知症予防学会への発表を考えている。また、今年度中に英文での論文投稿を予定している。
以上により、今年度中に研究成果の報告を中心に、認知症者のアクティビティ決定時に、表情の評価およびアクティビティの工夫について言及することを行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍において対象者数が増えず、次年度も表情分析にかかる経費が必要である。また、学会発表及び論文投稿を考えており、その資金が必要なため、次年度使用額が生じている。
使用計画は、2023年4月から9月まで表情分析のアプリケーションをリース契約し、9月に学会出張、12月に論文翻訳や投稿に研究費を使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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