研究課題/領域番号 |
21K11211
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中山 敦子 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (60529147)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 遠隔医療 / 遠隔心臓リハビリテーション / 心臓リハビリテーション |
研究実績の概要 |
遠隔心リハに対する試みは遠隔医療デバイスの進歩と共に海外で検討されてきた。重症心不全患者を対象とした無作為非盲検割付多施設試験は、欧米で過去に大規模臨床試験が3つ行われている(TEN-HMS、BEAT-HF、TIM-HF2)。これらの試験では、医師指導での遠隔監視であること、看護師による定期的な電話指導(tele-nursing)があること、遠隔医療デバイス(血圧計、体重計、SpO2モニター、心電図計、緊急連絡用携帯電話)が遠隔管理群に提供されること、などの条件下で、遠隔心不全管理群が遠隔管理を行わない群と比較して、心不全患者の予後を著しく改善させている。一方、本邦では遠隔医療の導入は遅れており、COVID-19流行下において遠隔医療の保険適応条件が簡略化されてきたが、普及が遅れているのが実情である。更に、遠隔医療の大前提である「遠隔心リハが通常の外来心リハの代替になりうるか」、のエビデンスは海外と土壌の異なる本邦においては、未だ明らかではない。遠隔心リハの成績が外来心リハによる管理に大幅に劣るようなことがあれば、遠隔心リハの見直しが必要である。本邦で遠隔心リハを導入している主な心リハ施設は当院を含めて2施設のみ(心リハ学会2020年5月緊急アンケート)であるが、遠隔心リハは将来心リハの中核となることが期待されているため、エビデンスの構築が急がれる。 【目的・方法】心不全入院患者を母集団として、退院時に外来心リハを行う「外来心リハ群」、遠隔デバイスによる情報をもとに心リハスタッフによる電話指導を受ける「遠隔心リハ群」、通常の外来診察のみを行う「標準治療群」の3群にランダム割付を行う。心リハ群には心リハを150日間行い、その安全性・有効性・費用対効果を、心イベント・左室拡張能・心肺機能・増分費用対効果の指標から調査する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心不全患者に対して遠隔心臓リハビリテーションを実施している。
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今後の研究の推進方策 |
今後症例数を増やしていく方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はコロナ流行につき、研究の進行に遅れがみられると想定し、デバイス購入を次年度とした。ただし、遠隔デバイスを用いた心リハには需要があったため、次年度は順調に継続できると見込む。
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