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2022 年度 実施状況報告書

低出力体外衝撃波治療による膀胱アンチエイジング効果―排尿障害への新しい展望―

研究課題

研究課題/領域番号 21K11218
研究機関琉球大学

研究代表者

大城 琢磨  琉球大学, 医学部, 非常勤講師 (00536550)

研究分担者 宮里 実  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70301398)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード加齢 / 排尿障害 / 低出力体外衝撃波
研究実績の概要

これまで私たちは加齢に伴う排尿の変化をテーマに研究を行い、加齢に伴う膀胱および尿道の機能的及び器質的変化について評価を行っている。
これまでの研究で、麻酔下に膀胱内圧測定を行うと加齢に伴い膀胱の収縮力の低下がみられているが、その原因として膀胱平滑筋のギャップジャンクションの量的変化が影響していることを確認している。覚醒状態の膀胱内圧測定実験では加齢モデルと若年モデルラットでの膀胱収縮圧に差がみられていないが、残尿の増加が確認されたことから尿道機能の変化にも着目し、一酸化窒素の尿道平滑筋に及ぼす影響が若年と加齢に差があることを確認。さらに尿道括約筋の働きでは針電極を用いて尿道括約筋の活動を測定したところ、加齢に伴って外尿道括約筋の活動が低下していることを確認し、さらに組織学的に外尿道括約筋の委縮がみられ、加齢に伴う膀胱及び尿道の器質的、機能的変化がもたらす排尿効率の低下について国際学会で発表を行いその内容についての論文を学術雑誌のPhysiological reportsに掲載している。さらに新たな治療の可能性を探索するため、加齢膀胱、尿道に対して低出力体外衝撃波を照射しその効果を現在検証中である。加齢ラットに対して低出力体外衝撃波を膀胱及び尿道に照射を行うことにより、排尿時の尿道の弛緩が増強される現象を麻酔下で確認を行っている。またより生理的な環境で代謝ケージを用いて覚醒下における低出力体外衝撃波の治療効果を検証している。さらに治療を介入することによる器質的変化については組織染色や免疫染色での評価を検証中。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

加齢に伴う排尿障害に対して、低出力体外衝撃波による治療効果を検証中である。コントロール9例、低出力体外衝撃波治療介入9例において麻酔下での排尿機能の比較においては、膀胱機能に関して膀胱基線圧や膀胱収縮閾え値圧、膀胱収縮圧にコントロールと治療介入群との比較で有意な差は認められなかったものの尿道機能に関して低出力体外衝撃波介入群はコントロール群に比較して、尿道基線圧は有意に高く、尿道弛緩時の圧差(尿道弛緩)について有意に大きいことが示された。さらに別の実験においてコントロール群と治療介入群それぞれで、低出力体外衝撃波治療前後における代謝ケージでの排尿の生理的な変化を測定し、治療効果の検証を行っている。
さらに低出力体外衝撃波による組織の変化について形態評価としてはMasson's trichrome染色、機能の評価については神経成長因子やs-100タンパクの発現について検証中である。

今後の研究の推進方策

これまでの研究結果から麻酔下の実験において低出力体外衝撃波は加齢における排尿障害に対して、尿道機能に関して改善が認められている。現在覚醒した状態における代謝ケージでの排尿評価については、検証中の段階であり引き続き継続した研究が必要である。
また、確認された効果についての機序解明のため、組織学的に形態変化や免疫染色により評価を行っていく予定である。機能的な評価については末梢組織のみならず、末梢および中枢神経の評価が必要と考えているが、このことについては新たに研究計画を策定する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

旅費については、近年のCOVID-19の感染拡大に伴い学会の開催延期やweb開催などで使用しなかったが2023年度には国内学会の参加発表予定、また国際学会参加の予定がありその費用としての使用を予定している。また研究成果についての論文作成投稿での使用を予定している。
物品購入について実験継続のため使用薬品(動物用麻酔薬、免疫染色用の抗体および実験試薬)の購入及び、実験動物の購入、実験における手術用具および消耗品
の購入を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低出力体外衝撃波治療のメカニズムと排尿障害治療への応用2022

    • 著者名/発表者名
      大城琢磨
    • 学会等名
      日本排尿機能学会

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公開日: 2023-12-25  

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