研究課題/領域番号 |
21K11219
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
中村 勇 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (20549505)
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研究分担者 |
中山 智博 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (70307528)
岩崎 信明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (70251006) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 混合唾液 / 尿中有機酸分析 / 誘導体化 / GC-MS / GC-MS/MS |
研究実績の概要 |
前年度から継続してマウスの検体については、グリア細胞、脳の前頭前野・海馬の組織、血漿、尿などを分析測定対象として前処理を試行錯誤し、それぞれの処理方法によって多数の代謝化合物を確認することはできている。前処理方法については、それぞれの長所・短所があり、測定値も処理方法によって解釈を考慮しなければならなかった。またタンパク質の除去についても課題は残しているが、ある程度の測定方法は用意できるようになってきた。 ヒト混合唾液の分析でも、代謝物質は200程度が測定できている。しかし成分分析を行う容量の決定について補正する物質、また全身の代謝状態をどの程度反映しているのか?については検討の余地が残っている。 ヒトのスポット尿の分析では、GC-MSによるSCANモード,MRMモード双方の健常者データを蓄積していっている。検体の前処理方法で検出されるデータの幅が異なるため、多くの物質を検出するために複数の誘導体化方法を試した。しかし試薬を変更したり誘導体化の種類を増やすと、基礎データとしてはとり直しになってしまうことがあった。他、MRMモードではプロダクトイオンの設定が不十分なためか、適切に手動波形処理しなければ検出し損なうこともあった。 このように超微量成分を定性・定量するためには試行錯誤は避けられず、慎重に実験を行っているため時間を要す面もあるが、100検体以上のデータは蓄積できている。よって次年度に向け、ケモメトリクスの検討が少しずつできるようになってきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度はマウス検体であったが、今年度は予定通りヒトの混合唾液、尿検体の分析へと展開できている。 方法論としてはある程度できてきていると考えられたため、計画をもっと進められると思ったが、データのとり直しや、測定誤差や検出限界・定量下限の検討については機器のメンテナンス等の整備も必須となる等、予想していたよりもさまざまな影響を受けることを再認識することもあったため、慎重に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
尿に関しては健常者の基準値ができてくる見込みである。 健常者(または障害をもつ方)のさまざまな条件下での代謝状態の検討ができる技術となるのではないかと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
検体収集とその処理を中心に作業を行ったため、研究自体は進んでいるものの前年度までの研究準備で対応が可能であった。今後はデータ蓄積のため試薬の追加や交換備品、学会発表等が予定されており、次年度へ回せることで継続した研究が可能となる。
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