研究課題/領域番号 |
21K11219
|
研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
中村 勇 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (20549505)
|
研究分担者 |
中山 智博 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (70307528)
岩崎 信明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (70251006) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | GC-MS/MS / GC-MS / エネルギー代謝 / 有機酸代謝 / 尿 / 混合唾液 |
研究実績の概要 |
マウスを用いた基礎的な研究としては前頭前野、海馬、側坐核、線条体等の脳組織ごとの代謝物、または肝臓代謝物の網羅解析測定を行った。脳組織については国際的に標準化されたメソットが無く試行錯誤している。今回の研究では死後プロセスが脳のアミノ酸やエネルギー代謝を含む代謝経路に大きな影響を与えていることが示唆された。心理社会的ストレス暴露後の脆弱性を示したマウス個体は肝臓代謝物についても一部の代謝系が変化していること等が示唆された。 臨床的な研究については、運動カテゴリーごとの変化を、ヒト混合唾液と尿検体について、それぞれ収集し始めている。混合唾液は口腔内微生物の影響があると考えられるため保存方法や前処理方法・データの解釈等について課題があるかもしれない。また成分分析する中で安定同位体(13C, 2H )を含む代謝物ピークが観察されることも多いため、この扱いについて学会発表にて意見を収集したが、未だこの点については分からないことが多い。 疾患の検体協力については、脳性まひ、先天性心疾患、知的障害、発達障害、先天代謝異常をもつ児のデータが、それぞれ少しずつ得られている。少子化などの社会的背景からデータ協力者は少ないだろうと予想していたが、年々、ご協力が頂ける検体が増えており、今後も幅広い年齢層のデータが揃うよう対応していければと期待している。 精度管理としては外部品質保証としてERNDIMの認証を2021年度より継続的に得ている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト尿の検体データは継続して蓄積しており、乳幼児検体や付属病院での検体も来年度に向けて増加予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
乳幼児と疾患をもつ児の生活中の検体データの蓄積を継続する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
協力検体が数名ずつ繰り返し増え、思いのほか増えてきたことで、データを全体としてまとめるタイミングとしては次年度の方が好ましくなった。質量分析の処理方法もある程度固まってきたので、試薬や溶媒等も同じもので多くの検体が処理できるようになってきた。そのことで主な分析コストを抑えることができた。よってさらに多くの検体解析やゲノム解析もできる可能性が出てきた。 また成果としてまとめる作業も次年度に繰り越した方がスムーズとなる。
|