研究課題/領域番号 |
21K11224
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研究機関 | 青森大学 |
研究代表者 |
池田 哲朗 青森大学, 薬学部, 准教授 (10360489)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS) / ノルエピネフリントランスポーター(NET) / 神経様細胞PC12 |
研究実績の概要 |
反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)は、磁気刺激装置による変動磁場発生によって、生体内に二次的に発生する過電流を通じて、生体内の神 経組織を刺激すると考えられている。rTMSにより、うつ病、統合失調症、神経変性疾患や脳血管障害等による高次脳機能障害の症状改善効果が報告されている。磁気刺激により精神疾患・高次脳機能障害関連遺伝子の変動が起きていると考えられた。
申請者は、rTMSがマウス脳内で抗うつ薬の作用するノルエピネフリントランスポーター(NET)を変動することを報告した。より詳細に神経様細胞PC12でrTMSの 効果を調べたところ、NETとそのドミナントネガティブ型NETbを変動していた。 そこで、一過性にNETとNETb遺伝子をPC12に共発現すると、細胞死に関連するシグナルカスケードが変動していた。R3年度は、変動している遺伝子群を同定するため、RT-PCRを行い、数種類の遺伝子が変動することを確認した。 R4年度は、R3年度に同定した遺伝子のタンパク質発現レベル、タンパク質の活性の機能解析をおこなった。同時に薬剤誘導性にNETとNETbを同時に共発現できるPC12細胞株を樹立中である。
五大疾患の一つである精神疾患、高次脳機能障害へのrTMSの作用機序は不明な点が多く、その解明は急務である。rTMSにより誘導されるNETとNETbの共発現後 の新規細胞死関連シグナルカスケードで変動した遺伝子群のタンパク質レベルでの解析は、これら疾患の原因の解明、予防や新薬の開発に結び付く可能性があり、本研究から大きな波 及効果が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた「2 薬剤誘導性にNETとNETbを同時に共発現できるPC12細胞株を樹立する(薬剤誘導性NET-NETb共発現 PC12)。」項目項目について、やや遅れている。R4年度からの円安により、試薬や海外旅費が20~30%高騰している。そのため、安い試薬を選んでいる。また、世界的な物価高のため、海外からの試薬の購入にも日数がかかることが多い。PC12細胞への、一過性NETとNETbの共発現後、変動する細胞死関連シグナルカスケードの遺伝子のタンパク質機能解析は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、当初予定していた「③薬剤誘導性NET-NETb共発現 PC12を用いて、①の変動する新規細胞死関連シグナルカスケードの遺伝子を解析する。」項目について研究を開始していく予定。
R4年度からの円安により、試薬や海外旅費が20~30%高騰している。R5年度も物価高が予想されることから、より安い試薬を選定しながら、残り予算を使用する予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
R4年度からの円安により、試薬や海外旅費が20~30%高騰している。より安い試薬を選んでいるため時間がかかった。また、物価高のため、海外からの試薬の購入にも日数がかかることが多い。R5年度も物価高が予想されることから、より安い試薬を選びながら、残り予算を使用する予定。
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