研究課題/領域番号 |
21K11229
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
大石 如香 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (10738636)
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研究分担者 |
鈴木 匡子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20271934)
今村 徹 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (20339972)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | レビー小体型認知症 / アルツハイマー型認知症 / 軽度認知障害 / 対象認知 / 物体認知 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment, MCI)段階でのレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies,DLB)の早期診断と他の疾患との鑑別を目指し、MCIおよび認知症疾患における質感認知障害と物体認知障害の関連性および神経基盤を解明することである。これまで、若年健常者・高齢健常者および認知症患者を対象に、質感認知障害を初めとする物体認知障害について研究を行ってきた。 DLBでは、MCIの段階から素材や野菜の鮮度を判断する視覚性質感認知がADに比して著明に障害されることが明らかとなった。また、視点や質感を有効に利用することができない環境下において対象認知機能が低下することを明らかにした。これらの研究結果を基に、次の研究を進めた。 DLBおよびその他の変性性認知症患者の日常生活における物体認知障害に関する情報を収集するために、物体認知や質感、相貌などの対象認知機能に関する独自の質問紙(abnormal object recognitioning behaviours-Q:AORB-Q)をを開発した。今年度は、DLB、AD(Alzheimer's disease, AD)患者およびMCI患者とその同居家族を対象に、この質問紙を用いて日常生活における対象認知の問題の調査研究を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響で対象者の参加が遅れ、データ収集に若干の遅延が生じている。しかし、データの分析を開始しており、計画期間内の研究遂行が予定通り可能である。
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今後の研究の推進方策 |
DLB患者を含む対象者に対し、質問紙調査、認知機能評価、視知覚機能評価および質感認知・物体認知・相貌認知に関する検査を実施し、臨床データの収集をさらに進める。同時に変性性認知症患者に対して、神経画像の撮影(頭部MRIまたはCT)を実施し、脳の器質的変化や神経走行を評価していく。それと並行して、統計学的解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、国際学会や国内学会の参加および共同研究者会議の開催が対面だけでなくオンラインで可能となり、当該年度の使用額が当初予算よりも抑制された。 次年度計画としては、データ収集および統計分析を進め、国内外での研究成果の発表を予定しており、それに伴う解析ソフトウェア等の備品購入や、旅費等を支出する予定である。
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