研究課題/領域番号 |
21K11233
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
今北 英高 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00412148)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 呼吸器疾患モデル / ミトコンドリア機能 / 高気圧暴露 / 高濃度酸素暴露 |
研究実績の概要 |
大気汚染が世界的に拡大しており、世界保健機関(WHO)は、世界人口の92%が汚染された大気中で生活し、420万人が大気汚染が原因で寿命を縮めたと推計している。 慢性閉塞性肺疾患(以下;COPD)や急性肺炎など呼吸器疾患も世界的に増加しており、心臓病・脳卒中に次ぐ、世界死亡原因の第3位と報告されている。また、新たに「第三次健康日本21」での基本方針が2023年5月に公表され、COPD対策として発症予防、早期発見、治療介入、重症化予防など総合的に対策を講じていく必要がると示された。 呼吸器疾患は、呼吸機能に影響を与えるだけでなく、下肢骨格の筋力低下や横隔膜の筋萎縮、代謝亢進による体重減少や栄養障害なども報告されており、現在では骨格筋機能障害やミトコンドリア機能障害、栄養障害、全身性炎症などを呈する全身性疾患として捉えられている。 本研究は、肺気腫症モデルラットを作成して、加圧酸素療法と運動療法の介入を実施し、呼吸器疾患における高気圧・高濃度酸素の影響をミトコンドリア機能に焦点をあて調査する。生体内における高気圧・高濃度酸素への影響は臨床的にも報告されつつあるが、酸化ストレスを増強させないレベルでの介入報告はない。これらは、呼吸リハビリテーションにおける新たな治療介入における影響を組織・細胞レベルで検証するものである。2023年度においては、加圧酸素療法と運動療法におけるヒラメ筋内の変化について、リアルタイムPCR法にてIL6、TNFα、PGC1α、TFAMなどのmRNA発現量を測定し、日本基礎理学療法学会学術大会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
職場の転換のため、新しい職場環境での準備や環境整備に時間を要したため、進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、延長申請し承認された。現在、研究環境も整いつつあり、今年度でサンプルの解析、特に組織化学染色を実施、解析し、データを構築し、公表につなげられればと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
職場が変わったことで、教育業務と研究を並行して進めており、時間が必要となり、調整・整備している状況である。実験試薬や実験容器、実験動物などの消耗品の他に、実体顕微鏡やカメラなど、異動によって不足している備品(50万円以下)も購入予定である。
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