本研究では、舌筋力トレーニングが舌圧と嚥下筋の筋量に及ぼす効果を検討した。対象は若年者12名と高齢者9名とし、6~8週間の舌筋力トレーニングを実施した。舌圧の測定は舌圧測定器と舌圧センサシートを用いて評価した。嚥下筋の筋量は超音波診断装置により舌筋の筋厚と舌骨上筋群の断面積を測定した。結果から、若年者では最大舌圧と嚥下時舌圧、オトガイ舌骨筋の筋量が増加し、高齢者ではオトガイ舌骨筋の筋量のみ増加した。舌筋力トレーニングの効果は若年者と高齢者で異なることから、トレーニングの負荷量は対象者の能力に応じて設定する必要がある。効果指標として、超音波診断装置を用いた嚥下筋の筋量測定が有用と考えられた。
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