研究課題/領域番号 |
21K11250
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
永井 多賀子 日本大学, 医学部, 准教授 (30837802)
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研究分担者 |
上井 浩 日本大学, 医学部, 准教授 (50451373)
中西 一義 日本大学, 医学部, 教授 (60403557)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | リハビリテーションシステム / 摂食嚥下機能障害 / ICT / ディープラーニング |
研究実績の概要 |
令和5年度は研究計画に基づき、検証結果の継続と、令和4年度に構築した試行版プログラムのブラッシュアップ作業を繰り返し、モデルプログラムを完成させた。 プログラム導入の効果・安全性評価検証として、摂食嚥下リハビリテーションシステムを導入してリハビリテーションを施行した60名と、導入していない対象者60名の嚥下機能獲得について統計学的検証を行った。 方法:誤嚥性肺炎患者において、試行版モデルプログラムを導入しリハビリテーションを施行した群60名と、非導入群60名の嚥下機能獲得について非ランダム化比較試験を行った。 結果:嚥下機能の尺度であるFunctional Oral Intake Scale(FOIS)スコアは、 モデルプログラム導入群で有意に改善した(p<0.001)。また、多変量解析の結果、システムプログラム導入はFOIS変化の影響因子と考えられた(β=0.49、 95%信頼区間、 1.47~2.97 p<0.001)。さらに、システムプログラムの導入は日常生活動作の指標であるBarthel指数の改善に正の影響を与えた(β=0.49、 95%信頼区間、 14.73~32.72 p<0.001)。 結論:嚥下障害やサルコペニア、誤嚥性肺炎のリスクを評価し、症状や重症度に応じて最適なリハビリテーションプログラムを抽出することを可能としたシステムプログラムの基盤構築および効果・安全性の検証を行った。その結果、ICTを活用したモデルプログラムの導入は有用であり、嚥下障害や日常生活動作の改善を示した。また、本システムはリハビリテーション専門職のいない病院や、在宅でリハビリの機会が少ない患者さんにも利用が可能であり、必要なリハビリテーションの提供と、嚥下障害や誤嚥性肺炎の進行を予防することが期待される。今後は、本システム基盤構築をもとにアプリケーション化と実用化を目指す。
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