研究成果の概要 |
ICT活用による摂食嚥下リハビリテーションシステムの開発に向けて,摂食嚥下障害の特性と関連因子の検証および摂食嚥下訓練に関する実態調査により課題点を明確化した。その結果,介護保険による摂食嚥下リハビリテーション実施率は35.2%であり,リハビリテーションのニーズには対応しきれておらず,その原因としてスタッフ不足,技術不足によることが明らかとなった。これらの問題点の解決のために,ICT活用による摂食嚥下リハビリテーションシステムの基盤構築を行った。システムプログラムの検証試験では,摂食嚥下機能は有意に改善されており,シームレスな摂食嚥下リハビリテーションの促進に貢献するものと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者の摂食嚥下障害は生活の中で「予防」することにより,重症化や生命予後に関わる重篤な状態を回避することが可能である。しかしながら,在宅生活において十分なリハビリテーションが提供できないために入退院を繰り返すことも少なくない。本研究におけるシステムプロクラムの基盤構築により,継続的な摂食嚥下リハビリテーションの実現が期待される。また,本プログラムはリハ専門職以外の誰もが利用可能なシステムであり,リハ専門職が不在の病院や,災害や感染症等により十分な医療を受けられない状況下においても利用可能であり,高い波及効果と健康長寿社会への貢献が期待される。
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