滑膜肉腫は全軟部肉腫のおよそ10%を占める悪性腫瘍で、治療としては腫瘍と共に一部の健常組織を切除する患肢温存手術が多くなっている。術後は、患者の日常生活活動(ADL)や生活の質(QOL)の向上に加え、社会復帰を目標としたリハビリテーションが増えてきている。リハビリテーションの効果に影響を与える術後の患肢機能回復は、術前の抗がん剤による腫瘍縮小効果に大きく依存するが、滑膜肉腫に対する効果的な抗がん剤は見出されていない。そこで、本研究では滑膜肉腫に対する効果的な薬剤を探した。その結果、一本鎖DNAあるいは二本鎖DNAの切断効果を示す薬剤は滑膜肉腫細胞の増殖抑制を示すことを見出した。
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