研究課題/領域番号 |
21K11253
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研究機関 | 星城大学 |
研究代表者 |
越智 亮 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60410891)
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研究分担者 |
林 浩之 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (40440820)
林 尊弘 星城大学, リハビリテーション学部, 講師 (40649787)
窪 優太 星城大学, リハビリテーション学部, 助教 (90836008)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 敏捷性 / 転倒 / 高齢者 / 転倒回避 / ステップ |
研究実績の概要 |
本研究は,既存のいくつかの下肢の敏捷性試験を用いて,高齢者の転倒リスクの指標として敏捷性評価が必要か,また高齢者の敏捷性評価の成績と転倒回避ステップのパフォーマンスには関連性があるか,を明らかにする. 今年度は,既存の下肢の敏捷性試験(座位ステッピングテスト,Ten step test(TST),Two square agility test(TSAT),a new Agility Tst for Adults(ATA))の再現性に関する研究,および高齢者の体力測定会で使用するために購入した等尺性股関節屈曲筋力測定台の信頼性,および等尺性トルクマシンに対する妥当性について,健常若年者を対象に研究を行った.その結果,全ての敏捷性試験のtest-retest ICCは0.88~0.94と優れた再現性を有していた.ATAについては評価用の10.5mの歩行マットの準備が必要であり,体力測定会では使用しにくい検査であった.臨床的な簡便さを考慮すると,座位ステッピング,TST,TSATの3種類が簡便で用いやすい敏捷性テストであることが確認された.座位ステッピングは他の検査と異なり,座位で実施するため,転倒リスクが高い高齢者でも試験が可能である点が優れている.一方,TSTやTSATは立位でステッピングを伴う検査であるため,転倒回避ステップとの関連性や運動の類似性は高いものと思われた.等尺性股関節屈曲筋力測定台については,ICCを用いた再現性テストでは0.96と優れた再現性を示し,等尺性トルクマシンに対する妥当性も優れていた. 現在,次年度に向けた体力測定会の準備と,転倒回避ステップの動作解析方法の確立を目指して研究を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は,研究実績の概要に挙げた研究成果に加え,高齢者を対象とした研究,および敏捷性試験と各種転倒関連テストバッテリー(筋力テストやバランステスト)との関連性を調査する予定であったが,感染症対策や蔓延防止に配慮して体力測定会を中止した.そのため,進捗状況はやや遅れているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
体力測定会を開催するための準備は既にできているが,100名程度の参加者が一同に会するような測定会の実施は2022年度も困難な可能性がある.そこで,4~5名程度の少数ずつで日程をずらして体力測定を実施する方法に切り替えて参加者をリクルートする予定である. さらに,体力測定会とは別で計画していた転倒回避ステップの動作分析研究を体力測定と併せて同時期に実施し,研究参加者の方々の来場頻度を少なく,会場での人数を制限する一方で,データ収集期間を長くして対応したいと考えている.
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