研究課題/領域番号 |
21K11258
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
信迫 悟志 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50749794)
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研究分担者 |
大住 倫弘 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (70742485)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 発達性協調運動障害 / 協調運動技能 / 規則性検出メカニズム / 内部モデル / 運動イメージ / 前頭-頭頂ネットワーク / 脳波 / 脳性麻痺 |
研究実績の概要 |
発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder:DCD)を有する児の内部モデルの前駆体である行為と結果の規則性の知覚感度を調べた.その結果,定型発達児と比較して,DCD児の規則性の知覚感度が低下していることが示された.具体的には,定型発達児では認識対象に自己の動きが40%程度含まれていれば,行為と結果の規則的な関係性の知覚が可能であったのに対して,DCD児では,約70%以上含まれていなければ,知覚することが困難であった.しかしながら,定型発達児においてもDCD児においても,年齢の増加に伴い規則性の知覚感度は向上する相関関係が認められ,DCD児では発達早期(低年齢)の段階で,規則性の知覚感度の低下があることが示された.行為と結果の規則性の知覚学習は,運動の多様性の発達に関係していると考えられ,定型発達児の規則性検出時の探索運動から運動の多様性指数を算出する解析を実行中である.また定型発達児と比較するためのDCD児の運動の多様性データを測定中である. DCDと連続体である可能性のある脳性麻痺を有する児の非言語性知能をRaven's Coloured Progressive Matricesを用いて測定した.その結果,非言語性知能自体は定型発達児と同等であったが,脳性麻痺児では定型発達児とは異なるエラーの仕方(エラーの種類と位置)を示し,脳性麻痺児が定型とは異なる問題解決戦略を有する可能性を示唆した. 前頭-頭頂ネットワークの活動指標となる運動イメージ能力について,DCD児と定型発達児で測定し,現在比較検討中である. 加えて,DCD児における諸機能(協調運動技能,内部モデル機能,自動模倣機能,視覚依存特性,運動主体感,行為-結果規則性の知覚感度,運動イメージ能力)と前頭-頭頂ネットワークとの関係性を調査するための脳波測定を継続中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施は完了していないが,当初の計画通り,運動・認知機能データ(協調運動技能,内部モデル機能,自動模倣機能,視覚依存特性,運動主体感,行為-結果規則性の知覚感度,運動イメージ能力)と前頭-頭頂ネットワーク機能との関連を調べるための脳波測定を実施中であるため,【おおむね順調に進展している】と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,発達性協調運動障害を有する児における諸機能(協調運動技能,内部モデル機能,自動模倣機能,視覚依存特性,運動主体感,行為-結果規則性の知覚感度,運動イメージ能力)と関連づける前頭-頭頂ネットワークの脳波測定を継続していく予定である. 脳波測定を加速するために簡易脳波計を購入する予定である. 加えて,令和5年度に取得したデータの解析を進め,論文公表する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は,脳波計測が完了しておらず現在も測定継続中であり,論文による公表に係る経費が必要なかったこと,測定協力者・被験者への人件費・謝金が必要なかったこと,学会出張旅費が他の研究経費で可能であったことによるものである. 令和6年度には,脳波測定を加速するために簡易脳波計を複数台追加購入する予定である.加えて,測定・解析を進め,論文公表・学会発表に必要な経費として,適切に使用させて頂く予定である.
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備考 |
https://www.kio.ac.jp/nrc/2023/10/13/press-15/ https://www.kio.ac.jp/topics_press/81750/
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