研究課題/領域番号 |
21K11263
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
倉岡 晃夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (30253412)
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研究分担者 |
吉塚 久記 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 講師 (00879942)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 踵腓靱帯 / 足部外側靱帯群 / 臨床解剖学 / 機能解剖学 |
研究実績の概要 |
我々は、足部の内がえしに伴って緊張した踵腓靱帯(CFL)が長・短腓骨筋腱を外側方向へ有意にリフトアップすることを見出し、CFLが腓骨筋の収縮を補助するテンショナーとして機能することを明らかにした(Yoshizuka and Kuraoka, 2022)。本研究ではこの成果をさらに展開し、長・短腓骨筋腱の深側面(CFLと の接触面)に感圧センサーを設置し、肢位の変化に伴う微細な接触圧の変動をリアルタイムに可視化することで CFLの緊張が生じる足関節の肢位を特定し、テンショナー機能の個体差を機能解剖学的に解明することを目的としている。 今年度は、研究分担者と共同で標本作製を継続すると共に、新規導入した感圧測定システムのセンサ設置方法、計測値の単位表現、標本の計測肢位等につき詳細な予備的検討を実施した。その結果、センサには耐水性に大きな問題があることが判明したため、極薄のポリ塩化ビニリデンシートでセンサを被覆することで解決に至った。また、計測値はパスカル、ニュートン等の圧力単位を用いて表現することを想定していたが、業者と頻回の相談を行った結果、センサ値をミリボルト単位に変換してデータ化することで支障がないことを確認した。標本の計測条件について、当初は肢位を連続的に変化させることを想定していたが、ホルマリン固定や生前の拘縮変化等の影響で腓骨筋の伸張性にかなりの制限があるため、底屈10度に内がえし5度、10度、15度を加えた4条件で計測することとなった。 現時点で作成済み標本のストックが20肢あり、うち12肢の解析が完了した段階であるが、6肢は足底部の変形等の問題でデータを除外せざるを得ず、統計学的解析には至っていない状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感圧センサの設置方法、データの単位設定、計測肢位の設定等、時間と労力を要する検討はすべて完了している状況であるが、予定した標本数のデータ取得には至っていない。したがって”(3)やや遅れている”とした。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、データ未取得の8肢の解析を早急に実施し、状況によっては標本数を追加した上で統計学的解析を進め、研究成果の学会発表、総括ならびに論文作成を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
標本肢位の設定に高額な特注治具を用いる計画であったが、すでに研究室で保有していた慣性センサで代用可能であることが確認できたため治具の購入が不要となった。また、コロナ禍で国際学会への参加を見送っていたことから総額80万円弱の未使用額が生じている。この使用計画としては、投稿論文のオープンアクセス費用、国際学会参加旅費等に充当する予定である。
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