研究課題/領域番号 |
21K11269
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研究機関 | 北海道千歳リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
鈴木 大輔 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 教授 (40372817)
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研究分担者 |
名越 智 札幌医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40264527)
小助川 維摩 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80569682)
金泉 新 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90813618)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 寛骨臼形成不全 / 接触圧 / 関節唇 / 有限要素解析 / 相同モデル |
研究実績の概要 |
①寛骨臼形成不全(DDH)患者の関節唇をMRI画像を用い,断裂部位の3次元評価については現在英語論文作成中である.またDDH患者は寛骨臼が低形成であるだけでなく,骨盤全体の形態も変化する.これについて相同モデルを使用した3次元評価をおこない,寛骨臼形成不全患者は腸骨翼の開きが小さく,仙骨がより前方に傾斜していることを統計学的に示した.この結果は2022年の股関節学会で発表した.現在英語論文作成中である. ②MRI像と組織標本のマッチングについてはDDHが原因で人工股関節置換術を受けた患者の関節唇の組織を集め,標本を作製中である.また正常関節唇を集めるため,倫理委員会に申請書を提出中である. ③有限要素法を用いたシミュレーション.後壁が小さいPWD-DDHの患者が,通常のDDH患者に比べて大きくなりやすいことを明らかにした.これについては2022年の臨床バイオメカニクス学会で発表した.また,CT画像を用いた骨モデルを用いるとき,実際よりも関節裂隙が小さくなってしまう問題について2022年の股関節学会で発表した.これらについても英語論文作成を考えている.海外誌に投稿したが不採用だった論文は他の雑誌に投稿したがまた不採用で,少し構成を変えることを考えている. ④DDH患者の痛みを減少させる動作の考案.2例の遺体標本で股関節唇を詳細に調べると,関節唇が付着する場所が,上前方領域で,かなり内側に位置していた.したがって,股関節の上前方に荷重が集中することが,問題の一つであると考えている.また股関節は回旋により多少荷重位置が変化することも示唆されているので,これらのデータを蓄積し,痛みを減少させる動作の考案をしていきたいと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.研究以外の業務が増えた. 2.札幌医大生体工学・運動器治療開発講座に属していたが,今年度からなくなってしまい 変更の事務手続きが多かったこと.
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今後の研究の推進方策 |
英語論文の作成と組織切片の作成を今後中心に進める予定である.負担のかからない肢位の考案については整形外科医である研究分担者とディスカッションを行い,適切 な肢位を有限要素法を用いてシミュレーションしていく予定である. やや遅れているが,研究方針自体は変える必要はなくおおむね順調である.
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次年度使用額が生じた理由 |
組織のサンプル作成がまだ始まっていない(少し遅れている)物品購入が少ない. 海外発表を考えていたが,渡航費が非常に高くついたため応募しなかった.
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