研究課題
脳卒中患者は、退院後に転倒が起きやすいことが知られている。その原因として、退院時に一変する住環境(入院施設から自宅)に即座に慣れるための適応能力(適応的運動学習能力)が低下している可能性がある。しかしながら、これまで脳卒中者の退院時に起きる転倒と適応能力の関連性は明らかにされていない。本研究の目的は、脳卒中患者の退院後に起きやすい転倒の原因として、視空間から得られる情報に基づく運動の適応能力が関与するかどうかを明らかにすることである。実験的に視空間情報に偏位を加えた状況下での歩行の適応能力を計測することによって、脳卒中患者の退院後に起きる転倒との関連性を明らかにする計画をしている。そのために、まず若年者や高齢者と比較して脳卒中患者は適応能力が低下しているかどうかを検証する。その後、脳卒中患者においては縦断的に転倒に関する情報を収集し、適応能力と転倒の関連性を分析する。以上の検証によって、こまれで十分に明らかにされてこなかった脳卒中患者の退院後に見られる転倒の原因の一端を解明することを目指す。研究期間初年度の昨年度は、実験環境の整備と必要備品の購入を行い、実験を行うための状況を整えてきた。また研究協力頂く施設との打ち合わせを経て、実験ができるよう準備を進めている段階である。2022年9月頃までに若年者、高齢者、脳卒中患者の適応能力を計測し終え、脳卒中患者の縦断的なデータの収集が可能となる見込みである。
3: やや遅れている
新型コロナウイルス蔓延の影響で、準備に時間を要したため、実験開始が遅れている。
2022年9月頃までに若年者、高齢者、脳卒中者の適応能力を計測し終え、その後の脳卒中患者における転倒に関する縦断データの採取に着手できる予定である。この縦断的なデータ採取の終了時期は、研究参加者の集まり状況によって多少前後する可能性があるが、2023年9月には目標の100名に到達できるよう努めたいと考えている。
新型コロナ流行の影響もあり、購入備品の選定に時間を要したことによって、2021年度中の購入に至らなかったため。2022年度初めに購入予定であった機器を購入する。
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