• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

超音波照射によるコスタメア構造におけるメカノセンシング/トランスダクションの解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K11274
研究機関東海大学

研究代表者

清島 大資  東海大学, 医学部, 講師 (80756370)

研究分担者 小林 剛  名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (40402565)
縣 信秀  常葉大学, 保健医療学部, 准教授 (00549313)
伊東 佑太  名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30454383)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードメカニカルストレス / 筋管細胞 / コスタメア / 超音波
研究実績の概要

超音波照射は骨折部位の治癒促進などに用いられるが、筋への効果は不明な点が多い。我々は、臨床応用を目的に超音波照射の筋に対する効用の解析に取り組んでおり、これまでに、超音波照射に培養筋管を肥大させる作用があり、この現象にCa2+濃度上昇が関係している可能性があることを見出してきた。本研究では、「超音波によるメカニカルストレスが組織・細胞において力が収斂・伝達されるコスタメア/接着斑で感知され、応答反応に繋がるシグナル伝達が誘導される」という仮説の検証を目指す。本年度は、コスタメアの構成分子の1つであり、インテグリンを中心とした複合体とジストロフィン-糖たんぱく質を中心とした複合体を繋いでいるα-アクチニンに着目し、培養筋管細胞形成におけるα-アクチニンの役割を検討した。まず、遺伝学的手法によりα-アクチニンをノックダウンしたC2C12細胞を作製し、ウエスタンブロット法にて発現量を評価した。次に、マトリゲルをコーティングしたディッシュに非ノックダウン細胞群(以下non-KD群)、ノックダウン細胞群(以下KD群)の2群に分けて播種し(1.5×102個 /35mm ディッシュ)、筋芽細胞を筋管に分化させた。播種後の細胞を位相差顕微鏡にて観察し、デジタルカメラを用いて撮影した。撮影した画像から、単位面積あたり(1 mm2)の筋管発生数と横径を評価した。その結果、KD群は、non-KD群に比べて筋管の発生数は大きく変わりないが、横径は太くならなかった。また、ローダミンファロイジンで2群のF-アクチンを染色すると、non-KD群に比べ、KD群の細胞骨格は破断していた。これはα-アクチニンをノックダウンしたことによりアクチン細胞骨格の再構築が崩れ、筋管の横径に影響を及ぼしたと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、骨格筋関連細胞において超音波照射の作用点と誘導される筋肥大シグナル系を解析するはずであった。しかし、コスタメアの構成分子の1つであり、インテグリンを中心とした複合体とジストロフィン-糖たんぱく質を中心とした複合体を繋いでいるα-アクチニンが力学刺激を受容する重要な分子となる可能性であることに着目し、α-アクチニンのノックダウン細胞を作製し、この細胞が筋管を形成するのか確認することに多くの時間を費やした。その結果、予定通りに進まなかった。超音波照射による培養筋管の力学刺激を受容する分子を同定していく予定である。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、通常の培養細胞にて①超音波照射の作用点の解析、②超音波照射により誘導される筋肥大へとつながるシグナル経路の解析を行いつつ、上記ノックダウンのモデルにて超音波照射による培養筋管の力学刺激を受容する分子を同定していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

C2C12細胞を使用した実験を優先しておこない、マウス購入等の消耗品が当初計画よりかからなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Morphological Change in the Biceps Brachii Muscles during Shoulder Rotation: A Cadaver Study2021

    • 著者名/発表者名
      Katsuki Shuji、Hayashi Shogo、Tanaka Ryuta、Kiyoshima Daisuke、Qu Ning、Suyama Kaori、Sakabe Kou
    • 雑誌名

      Applied Sciences

      巻: 11 ページ: 9262~9262

    • DOI

      10.3390/app11199262

  • [学会発表] 培養筋管形成におけるα-アクチニンの役割の検討2022

    • 著者名/発表者名
      清島大資, 平田宏聡 , 勝田紘基, 小林剛,縣信秀,伊東佑太, 木村菜穂子
    • 学会等名
      日本物理療法研究会学術大会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi