研究課題
基盤研究(C)
本研究は咽頭部の感覚刺激効果のない0.3M NaCl溶液を用いて随意性嚥下遂行における感覚の効果について調べた。咽頭部の炭酸刺激は随意嚥下時の嚥下間隔時間を短縮し、嚥下遂行を容易にした。また、甘いにおいによる後鼻腔性嗅覚刺激は随意嚥下時の嚥下間隔時間を短縮し、嚥下遂行を容易にした。炭酸刺激は脳幹に存在する嚥下中枢への末梢からの入力を、嗅覚刺激は中枢性の入力を増強することで嚥下遂行を容易にしていると考えられる。
感覚生理学
本研究の結果により、随意性嚥下を容易にする感覚を明らかにできた。飲料水の炭酸付加や飲食物へのにおいの付加は簡便にでき、誤嚥の有用な予防策となり得る。また、嚥下遂行が容易になることから、安全な嚥下障害リハビリテーションにも応用できる可能性がある。