研究課題/領域番号 |
21K11286
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
趙 崇貴 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50881653)
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研究分担者 |
横田 千晶 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (80300979)
高松 淳 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 客員教授 (90510884) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 運動の随意性 / 皮膚表面形状 / 距離センサアレイ |
研究実績の概要 |
当該年度は,皮膚表面形状を計測するデバイスの開発・改良に加え,随意性評価のための自動他動運動間に生じる皮膚表面形状特徴の差の検証,実際の患者を対象とした計測システムの運用可能性を検証した. 初めに計測デバイスについては,限られたリハビリテーションの時間の中で簡易に装着し,皮膚表面形状を計測できるよう距離センサアレイを改良した.デバイスの部品に柔軟に長さが伸長する素材を採用し,その部品についてもS,M,Lの3種類のサイズを用意することにより,患者ごとに様々な腕のサイズに対応できるよう工夫を施した.また装着のみではなく,計測後の脱着も容易に行えるよう細部を考慮して設計された.これらの改良点は療法士へのヒアリングを通して得られた知見に基づくものである. 次に随意性評価ついては,健常者を対象とし肘の屈曲・伸展における皮膚表面形状を主成分分析によって圧縮することにより,運動特徴を関節運動と運動の活性度としてそれぞれ第1,第2主成分に分離できる可能性を確認した.そして運動の活性度に対応する軸(第2主成分)において,自動と他動運動で差が確認できたことから,提案している随意性評価の妥当性を確認した. 最後に,実際の患者を対象とし,上記の計測デバイスと随意性評価のシステムの運用可能性を検証した.これにより,非専門家であっても簡易に使用可能な記録用ソフトウェアの必要性など,円滑に計測を進める上で必要なシステムの改良案が洗い出された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたデバイスの改良および随意性評価の可能性検証に加え,実際の患者を対象としてデータを計測する際のシステム運用についての改善案の洗い出しができたため,おおむね順調に進んでいると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,実際の患者を対象としたデータ計測を本格的に開始していく.並行して,様々な状況における健常者の運動のデータについても蓄積し,随意性評価手法の改良・さらなる妥当性の検証を進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
国際的なコロナウイルスの蔓延により当初予定していた旅費などの費用が未使用となり,次年度使用額が生じた.次年度使用額については,物品購入費や国内旅費として使用する予定である.
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