研究課題/領域番号 |
21K11293
|
研究機関 | 四條畷学園大学 |
研究代表者 |
花田 恵介 四條畷学園大学, リハビリテーション学部, 教授 (50875987)
|
研究分担者 |
竹林 崇 大阪公立大学, 大学院リハビリテーション学研究科, 教授 (90780510)
板口 典弘 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (50706637)
平山 和美 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 非常勤講師 (00218819)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 体性感覚 / 脳卒中 |
研究実績の概要 |
本研究は,近年提案されている体性感覚の情報処理モデルを参考に,「脳損傷後に障害される体性感覚様式は,大脳損傷部位をもとに特徴化できる」ことを仮説とした上で,「どのような知覚再教育を行えば,脳卒中後の体性感覚機能をより有効に改善できるか」を明らかにし, 脳卒中患者の新たな知覚再教育プログラムを創出することを目標としている. 具体的には,(1)介入効果を客観的に判定するための標準的な体性感覚検査法の開発、(2)ヒトの知覚認知特性を考慮した皮質性体性感覚検査法の開発,(3)脳卒中後に生じる体性感覚障害の特徴抽出と責任病巣の同定,(4)上記を踏まえた脳卒中患者の体性感覚障害に対する知覚再教育の予備的介入を行うこととしている. (1)は,海外で汎用されている標準的な体性感覚検査法(Rivermead Assessment of Somatosensory Performance: RASP)の日本語版を完成させ,脳卒中患者を対象にその信頼性と妥当性を検証した.来年度に学会発表したのち,論文化を進める.(2)は,3Dプリンタを用いて空間周波数や振幅が異なる触覚刺激(grating orientation testing)を開発した.健常者を対象に検査の妥当性を引き続き検証している段階である.(3),(4)はこれまでに報告した内容をまとめて書籍化する機会を得たため,鋭意執筆中である.本研究課題が終了する2024年度には刊行予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RASP日本語版の学会・論文発表ができれば、本課題は概ね達成できる。
|
今後の研究の推進方策 |
脳卒中後の体性感覚障害を調べるなかで,しびれによる不快感や痛みを有する症例にしばしば遭遇した.また、その症例の多くは温度覚や痛覚の鈍麻を認めていた.温度覚や痛覚は自律神経にも大きく関わるため、脳卒中後のしびれや痛み(Central Post Stroke Pain)が温度覚・痛覚を介した自律神経の機能異常によって起きている可能性が考えられる.今後は、脳卒中患者におけるしびれや疼痛の生理学的背景を解明すべく研究を継続していく.
|
次年度使用額が生じた理由 |
英論文発表のための費用が必要である。
|