研究課題/領域番号 |
21K11295
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
室谷 嘉一 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70754943)
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研究分担者 |
伊藤 修 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (00361072)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 急性腎障害 / 虚血再灌流障害 / 運動療法 / 腎内血流 |
研究実績の概要 |
今年度も、急性腎障害(Acute Kidney Injury: AKI) による腎障害進展の機序解明と運動療法(腎臓リハビリテ ーション)の腎障害に対する予防的・治療的効果の機序解明のための予備実験が中心となった。今年度の補助金も、主に上記の研究を遂行するための実験器具等の購入費に当てられた。研究代表者は虚血性 AKI の障害進展メカニズムに関して、再還流後の二次性の腎髄質血流の低下が腎障害進展の主原因であることを示し、20-HETEが虚血性AKIに対して保護的に作用すること、更にそのメカニズムとして虚血再還流後の腎髄質血流の維持に20-HETEが大きな役割を果たしていることを報告した。本研究では、20-HETEが腎髄質血流を維持する機序を解明し、その機序が運動療法にてもたらされる保護作用と同一であるか比較検討する。手法として、コントロールモデルのDahlラットと、20-HETEを産生するCYP4Aの発現量が多いラット(CYP4Aラット)、および運動療法を施行したDahlラットを用い研究を行う。CYP4Aラットは、Dahlラットを用い我々の研究グループで遺伝子操作により作成したもので、Dahlラットと比し約5倍の20-HETE産生があることと、虚血再還流後の腎髄質血流が維持されることことを確認している。CYP4Aラットを用いることにより、腎内腎血流の回復過程の各モデル間での差異を観察し、虚血性AKIへの感受性に20-HETEの産生量と腎髄質血流が大きな役割を果たしていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者は、生理学的及び分子生物学的手法を用いた腎臓リハビリテーション研究の第一人者である東北医科薬科大学リハビリテーション学の伊藤修教授と、チトクロームP450依存性アロキドン酸代謝産物の20-HETEに関する研究および急性腎障害における腎髄質研究の第一人者である米国ミシシッピ大学医療センターのRichard J. Roman主任教授と協働し研究を進めている。また、東北医科薬科大学医学部教育研究棟動物実験センターが完成し、研究環境もさらに充実した。動物の処置(実験モデル作成、腎臓内血流測定、薬物投与、長期的運動)も容易になり、さらに研究を推し進められる環境にある。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、本研究は東北医科薬科大学動物実験センター、および米国ミシシッピ大学医療センターにおいて実施する。当該分野は、実験室、動物飼育室、ならびに小動物実験用簡易吸入麻酔装置、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS/MS)、血流測定機器、ウエスタンブロット法や ELISA法のための各種装置など実験を行うにあたっての必要な設備・機材をすでに有している。今後は、AKIの機序解明に関する研究と腎臓リハビリテーションに関する研究をさらに進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
東北医科薬科大学リハビリテーション学の伊藤修教授、および同学内関連教室との研究協力体制が確立され、実験に必要な消耗品等に対して予定していたほどの出費が必要ではなかった。また、所属施設から学会発表や論文掲載費等への補助もあった。東北医科薬科大学動物実験センターが本格始動し、また実験へのエフォートも十分確保できるようになったため今後は計画通りに研究ができる予定である。
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