研究課題/領域番号 |
21K11296
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
相澤 純也 順天堂大学, 保健医療学部, 先任准教授 (60376811)
|
研究分担者 |
池田 浩 順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (10301508)
柳下 和慶 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10359672)
大路 駿介 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (80778308)
廣幡 健二 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (90747700)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 前十字靱帯損傷 / 再建術後 / 心理的準備因子 / スポーツ復帰 |
研究実績の概要 |
当該年度の主目的は前十字靱帯(ACL)損傷・再建術後患者におけるスポーツ復帰に向けた心理的準備スコアの標準値を提供することであった。再建術後の心理的準備とこの説明変数となり得るデータを2施設の共同研究にて収集した。心理的準備は研究者らが作成した日本語版ACL-RSIで数値化した。自他の過去研究に基づき、スポーツ復帰阻害や再受傷の要因、各競技で要求される身体機能および主観能力の変数を記録・計測した。膝に加えて、股関節、足、体幹の機能変数(可動域、筋力、持久力なそ)も計測した。アスリート自覚レベル、属性、手術情報、競技レベル、受傷機序も共変量として収集した。対象の包含基準は片側初回損傷/自家腱による再建術後(膝屈筋腱、膝蓋腱)/術後2年未満(調査時)/受傷前と同じスポーツに参加希望とした。免荷を要する軟骨損傷・処置例やACL以外の靱帯の損傷や再建術後例は除外した。 医学カルテ、画像所見、手術記録から対象者リストを作成しつつ、術前、術後3/6/12か月のデータを前向きに収集した。過去に収集したデータを後ろ向きに調査しデータベースに加えた。症例数を増やしつつ、術後経過時期別の横断データより、日本語版ACL-RSIスコアの記述統計値を算出した。 両施設合わせて約50名の新規患者データを収集した。後ろ向き調査データと合わせて計200名以上のデータベースを構築し、日本語版ACL-RSIスコアの下位項目を含めた標準値を提供した。次年度は心理的準備のスポーツ種目別の特徴を把握しつつ、その因子を解明することを主目的とし、データ収集・分析を継続する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19蔓延やこれの対策の影響により手術件数や術後身体機能テスト実施数が当初の予定より少なく、スポーツ種目別の記述統計値を算出するための症例数には至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
データ収集を継続しつつ、計測法やデータベース構築に関する共通認識を高めるミーティングの頻度を増やし、データの欠損を最小限とする。その上で、スポーツ種目ごとに目標症例数(投入する説明変数の数に10を乗じた数)を満たした時点で、日本語版ACL-RSIの総スコアを目的変数とした単回帰分析を行う。多重共線性を考慮した上で、単回帰分析の有意変数を用いて重回帰分析を行う。計測時期(術前、術後3/6/12ヵ月)ごとの横断研究に加えて、縦断データを含めた分析も行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度はCOVID-19蔓延やその対策の影響で学術大会に参加し研究成果を公表することに限界があった。次年度は、国内外での学術大会が開催され、参加が可能となれば研究成果を積極的に公表し専門家の意見を参考に分析手法を改善し研究成果の向上につなげる。
|