研究課題/領域番号 |
21K11297
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
田中 尚文 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40255568)
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研究分担者 |
石橋 遼 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 研究員 (90750266)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 運動感覚 / 機能的MRI / ワーキングメモリ |
研究実績の概要 |
ワーキングメモリはリハビリテーション医療において運動学習能力に関与する主要な認知ドメインの一つである。リハビリテーション医療では、運動学習の際に視覚情報だけでなく、運動感覚情報も教示しているが、運動感覚情報を扱うワーキングメモリ(運動感覚性ワーキングメモリ)の神経基盤は明らかにされていない。研究代表者はこれまでの神経心理学的検討を踏まえて、運動に関する運動感覚性ワーキングメモリは視覚性ワーキングメモリとは独立した神経基盤を有していると仮説を立てた。本研究の目的は、健常若年者と健常高齢者に対して、運動に関する運動感覚性ワーキングメモリおよび視覚性ワーキングメモリを課し、各ワーキングメモリを保持している間の脳活動部位を機能的MRIにより同定し、両者の脳活動分布の異同と加齢による変化について検討し、運動感覚性ワーキングメモリの神経基盤を解明するとともに、視覚性ワーキングメモリとの独立性を検証することである。具体的には、視覚性および運動感覚性ワーキングメモリの保持に関わる脳活動領域で構成される脳機能ネットワークがそれぞれのワーキングメモリに部分的であっても独立して関与しているかについて検討する。さらに、健常高齢者において同定した運動感覚性ワーキングメモリの脳機能ネットワークの構造を健常若年者と比較し、加齢による運動感覚性ワーキングメモリの低下に関わる神経基盤の変化を検討する。令和5年度は運動に関する運動感覚性ワーキングメモリの遅延マッチング課題を健常高齢者に課して機能的MRI実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度に健常高齢者を対象とした機能的MRI実験を実施中にMRI機器が故障し、機能的MRI実験の実験日の延長を余儀なくされた。年度内に予定した機能的MRI実験を終えることができたが、データ解析を終えることができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
健常高齢者に対して運動感覚ワーキングメモリの遅延マッチング課題を課した機能的MRI実験はすでに終えており、今後はMRIデータを処理し、健常若年者のMRIデータと比較し、運動感覚性ワーキングメモリの神経基盤における加齢による変化を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度に健常高齢者を対象とした機能的MRI実験を実施中にMRI機器が故障し、機能的MRI実験の実験日の延長を余儀なくされた。年度内に予定した機能的MRI実験を終えることができたが、研究協力者の旅費や謝金の支払いやデータ解析を年度内に終えることができなかったたため。次年度使用額は、研究協力者の旅費や謝金、MRIデータ解析や成果発表に関わる支出等に使用する予定である。
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