研究課題
2021年4月より本研究を始動した。2021年4月から11月までは、外来患者に対するスマートフォンを用いたリハビリテーション(以下リハビリ)を導入するために、使用するアプリの選定を行い、患者の身体機能、筋力に応じたリハビリメニューを作成した。アプリは「リハサク」というスマートフォンやパソコンを介して、患者さんに独自の運動メニューを処方できるものを導入した。リハビリメニューは、ADLが低下している高齢者でも(座ったまま)出来る「低」、普通の高齢者を対象とした「中」、運動習慣のある高齢者(とくに男性)を対象とした「高」を作成した。2021年12月から2022年6月の期間で、当科通院中の胃癌患者のうち「リハサク」を提案した22例。リハビリの実施状況と、リハサク(+) vs. リハサク(-)症例との間でリハビリテーションの効果は、以下の項目①体組成計(BIA法)による体重、除脂肪量、脂肪量、②握力、③PNIなど血液検査項目を3週間ごとに評価することとした。22例中10例(45.5%)が「リハサク」をダウンロードし、リハビリの処方を受けた。リハサク(+)群における30日当たりのリハビリ実施日数は17(2-30)日であった。リハサク(+) vs. (-)群との間で、年齢、性別、治療状況に有意な差を認めなかった。BIA法による除脂肪量の変化量は3週間後、6週間後、9週間後がそれぞれ +0.95、+0.65、0.95kg vs, 0.35、0.15、0.25kg と有意差は認めなかったが、リハサク(+)群で増加量中央値が高値で推移した。脂肪量変化、握力は両群間で差を認めなかった。PNIは開始3週間後で48.2 vs. 44.1(P=0.037)とリハサク(+)群で有意に高かったが、それ以外は有意差を認めなかった。
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