研究課題/領域番号 |
21K11314
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
石松 祐二 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40533899)
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研究分担者 |
神津 玲 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (80423622)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 間質性肺疾患 / 日常生活動作 / 身体活動量 |
研究実績の概要 |
間質性肺疾患(ILD)患者は労作性呼吸困難の進行につれ日常生活の活動が制限されるが、その「日常生活で活動する能力」については、従来の日常生活動作(ADL)評価法では過小評価されることが多く経験される。また、近年、慢性閉塞性肺疾患(COPD)において身体活動量(安静状態より多く消費されるエネルギー量)に関する報告が多く見られ、ILD患者においても報告が増えてきた。 本研究では、ILD患者の「日常生活の活動能力」を適切に評価するために身体活動計で身体活動量を測定し、ILD患者の身体活動量の特性を明らかにするとともに、従来のADL評価法や通常診療で実施される検査項目と身体活動量の関連性を明らかにしたい。さらに従来のADL評価法や通常診療で実施される検査項目から、身体活動量の予測式を確立することを目的としている。 これまでの症例(全症例男性、年齢中央値74.0才)の集積の途中結果(n=16)は、身体活動量の代表的パラメータである1日歩数(中央値)は4029歩であり、70才以上の男性平均が5436歩であることから、同年代の74.1%程度といった低値を示した。また、1日歩数は、Body Mass Index(BMI),長崎大学呼吸器疾患ADL質問票(NRADL)得点、肺活量、肺拡散能、%肺拡散能、左握力において正の相関を認め,修正MRCスケールとは負の相関を認めた。しかし、安静時動脈血酸素分圧、1秒量、1秒率、6分間歩行距離とは有意な関連は認めなかった。 今後、さらに症例を集積し、解析を進めて行く予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の罹患を懸念され、外出の機会が減り、身体活動量そのものに直接影響するため、令和3年度は積極的な症例の動員ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスに対するワクチン接種が高齢者を中心に進んでおり、令和4年度は症例の集積に努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行のため、症例登録が進まず、必要な物品がすでに所有している器具等で令和3年度は実施することができた。しかし、令和4年度は感染症のワクチン接種率が向上してきており、症例登録が進めることができると考えている。また、新型コロナウイルス感染症のために、県外での発表を自粛しており、旅費も使用していない。 繰り越した経費については、身体活動計の新規購入および学会参加のための旅費に充てる予定である。
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