研究課題/領域番号 |
21K11319
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
趙 吉春 東京家政大学, 健康科学部, 講師 (00848682)
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研究分担者 |
鈴木 誠 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (80554302)
磯 直樹 東京家政大学, 健康科学部, 准教授 (70781649)
平田 恵介 東京家政大学, 健康科学部, 講師 (50862603)
岡部 拓大 東京家政大学, 健康科学部, 准教授 (90836719)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 連合性ペア刺激 / 経頭蓋磁気刺激 / 脳波 / 聴覚性記憶 |
研究実績の概要 |
これまでの研究において,連合性ペア刺激(paired associative stimulation: PAS)によって聴覚誘発電位が増大することが示唆されたことから,2022年度の研究では健常成人を対象として聴覚性の記憶活動に関連する脳波を同定することにより,連合性ペア刺激のターゲットを明確化することを目的とした. 聴覚刺激は,独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センターによる記憶障害に対する学習カリキュラムの中から,使用頻度の高い単語の音声を採用した.音声はアップル社の日本語テキスト読み上げ機能を用い,右耳に装着したイヤホンを介して30 dbの音量で1000~1500ミリ秒の間隔にて50回提示した.国際10-20法に従って脳波電極を貼付し,聴覚刺激から1000ミリ秒後までの振幅を加算平均し,聴覚性記憶に伴う事象関連電位振幅の変化を観察した.その結果,聴覚刺激後300ミリ秒以降が記憶活動に関連する脳波成分であることが示唆された.そこで次に,聴覚刺激の提示,経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation: TMS),脳波の記録の三者を同期できるシステムを構築した. 2022年度に行った準備的実験の結果から,聴覚刺激と経頭蓋磁気刺激および聴覚刺激と脳波の記録を1000 Hzの時間分解能で同期可能であることを確認した.現在,聴覚性記憶の課題施行中に,ターゲットに設定した脳波成分が出現したタイミングで連合性ペア刺激を行うことができるか否かを検証中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は健常者50名を対象にして聴覚誘発電位と聴覚性記憶活動に関連する脳波の活動を検証することを計画していたが,新型コロナウィルス感染症の感染拡大により予定していた対象者のリクルートが困難となった.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の収束状況を鑑みながら対象者のリクルートを再開する.本年度の実績を基に,聴覚性刺激入力とTMSを用いたPASが聴覚性記憶に及ぼす影響を検証し,新たな訓練方法の開発へと展開するための研究基盤を確立することを目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,新型コロナウィルス感染症の感染拡大により予定していた対象者のリクルートが困難となった為,人件費・謝金費において未使用金が生じた. 次年度は新型コロナウイルス感染症の収束状況を鑑みながら対象者のリクルートを再開する予定であり,当初の計画通り人件費・謝金費・物品費として使用する.
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