研究課題
今後、急増する高齢慢性心不全患者における生活自立度の維持、生活の質の向上には、運動耐容能低下の抑制が重要である。本研究の目的は、持久運動困難な慢性心不全患者に対して、通常行っている心臓リハビリテーション(CR)に遠赤外線温熱療法である和温療法を併用すると、通常心リハのみに比べて、運動耐容能、健康関連quality of life (Health related quality of life, HRQOL)が向上するのかを明らかにすることである。対象は、起居動作は可能であるが、連続して200m歩行不可能な入院中の慢性心不全例である。2020年5月~2021年3月までに,条件に合致した通常CRを行った通常群、2021年4月~2023年3月までの、和温療法と通常CRとの併用群に対して、入院中に5回CRを行った。主要評価項目は、5回CR終了時の6分間歩行距離(6MWD)とshort form-36 ver.2で評価したHRQOLである。副次評価項目は、Short Physical Performance Battery、等尺性膝伸展筋力の開始時と5回CR終了時の変化率と5回終了後の評価値とした。通常群23例、併用群18例(男17例、平均80±6歳)で、性、年齢、心機能に両群間に差はなかった。CR終了時の6MWDは通常群294±109m、併用群387±123mであり、併用群で有意に長かった (p=0.014)。HRQOL(通常群17例、併用群16例)には、2群間に差はなかった。副次評価項目には、いずれも2群間で差はなかった。持久運動困難な慢性心不全入院患者に対して、通常CRに和温療法を併用することで、運動耐容能の向上が期待される。
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