| 研究課題/領域番号 |
21K11337
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| 研究機関 | 県立広島大学 |
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研究代表者 |
辻 文 県立広島大学, 公私立大学の部局等(広島キャンパス), 准教授 (40707212)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 高体温 / 過換気 / 性差 / 熱中症 |
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| 研究実績の概要 |
暑熱環境下において体温が上昇すると，高体温誘因の過換気反応が見られる．この過換気によって動脈血中二酸化炭素分圧(PaCO2)の低下とそれに付随する脳血流の低下が起こり，熱中症の一因となることが示唆されている．近年我々は，体温上昇時の呼吸・脳血流反応に及ぼす時刻の影響に着目し，健常男性において，安静加温時のPaCO2上昇に対する脳血管拡張反応は早朝よりも夕方で低下する(脳血流が増加しにくい)ことを明らかにした．しかし脳血流の調節メカニズムは性差の影響を受けることが報告されており，同様の結果が女性においても見られるかは明らかではない．そこで今年度は，女性を対象として，安静加温時におけるCO2に対する脳血流反応に及ぼす時刻の影響を検討した．健康な成人女性を対象として，早朝および夕方に，常温環境下において下肢温浴と上肢に着用した水循環スーツ内に温水を循環させることで，安静状態で深部体温を1℃上昇させた．その前後で，高CO2(5%CO2)吸入と過換気を行い，呼気終末CO2分圧(PETCO2; PaCO2の指標)を低下および上昇させ，その際の脳血流反応を検討した．その結果，PETCO2と中大脳動脈血流速度(脳血流量の指標)の関係における回帰直線の傾き(CO2に対する脳血流の応答性)を検討したところ，過換気によるPETCO2低下時の傾きは，加温前と加温後(深部体温上昇時)ともに，早朝と夕方で違いはみられなかった．また，高CO2吸入によるPETCO2上昇時の傾きに，有意な時刻の影響はみられなかった．以上の結果から，女性においては男性と異なり，安静加温時の二酸化炭素に対する脳血管の拡張反応に顕著な時刻の影響はみられないことが示唆された．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに実験を実施できたことから，研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる．
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| 今後の研究の推進方策 |
実験のセットアップおよび予備実験等は既に完了していることから，被験者を確保し，予定の実験を着実に実施していく．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた学会発表の機会が無くなったため，その分の支出が少なくなった．翌年度の旅費および実験の被験者謝金等に充当する予定である．
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