研究課題/領域番号 |
21K11341
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研究機関 | 植草学園大学 |
研究代表者 |
遠藤 隆志 植草学園大学, 発達教育学部, 准教授 (80510594)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ニューロモデュレーション / トレーニング / 経頭蓋直流電流刺激 / 運動パフォーマンス / 皮質運動野 |
研究実績の概要 |
トレーニング開始数週間といった短期間においても、筋が収縮しながら引き延ばされる伸張性筋収縮によるトレーニングは、効率的に筋力を向上させることができること、またこの時には筋肥大が認められないことより、脳を中心とした中枢神経系における改善(適応)が主要因となっている可能性が最近報告されている。そこで、神経系の適応を引き起こす伸張性筋収縮による継続的なトレーニングと皮質運動野の興奮性を修飾可能なニューロモデュレーションを組み合わせることで、筋力ならびに筋持久力などの運動パフォーマンスにおいて更なるトレーニング効果を得ることができるかを検証し、またこのトレーニング効果の中枢機序についても明らかにすることを目的とする。 本年度は、これまで未解明である本研究の基礎となる改良をした自転車エルゴメータを用いた軽負荷の伸張性ならびに短縮性筋収縮によるサイクリングトレーニングの効果について検証を行った。伸張性もしくは短縮性サイクリングトレーニング群にランダムに分けられた健常被験者は、1回のトレーニングにおいて最大ペダリングパワーの20%の負荷で10分間のサイクリング運動(50回転/分)を片脚で3セット行い、1週間に2-3回の頻度で合計6回トレーニングを行った。このトレーニング期間の前後に最大ペダリングパワーや膝伸展筋力などの運動パフォーマンスの計測を行った。 本年度は、新型コロナウイルス感染症蔓延ならびにその防止の影響を受け、実験の開始が大幅に遅れ、また本研究は継続的なトレーニング実験であるため研究成果が得られるまでに時間もかかることより、現状では統計的なデータを示すところまでは至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延ならびにその防止のため、本年度の前半においてはヒトを対象にする実験は行うことができず、実験の開始が大幅に遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在進行している短期間の伸張性サイクリングトレーニングの効果を検証する実験を進め、ニューロモデュレーションを組み合わせるトレーニングプロトコルの作成のための検証を行う。最適なトレーニングプロトコルの作成後に、速やかに経頭蓋直流電流刺激を用いたニューロモデュレーションと組み合わせたトレーニング実験へ移行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症蔓延ならびに蔓延防止のために、本年度の大半は実験をほとんど遂行することができなかった。また、コロナ禍で延長した前年度で終了予定の研究課題の遂行を優先させたため、本研究課題の開始が大幅に遅れた。また、遂行した予備実験については、既に導入済みの研究機材や購入済みの消耗品で実行可能であった。実験ならびに研究活動が本格的に再開された際には、本研究の実験環境を整備するとともに、実験消耗品(新型コロナウイルス感染症対策含む)や研究協力者への謝金、および研究出張旅費などで使用する予定である。
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