研究課題/領域番号 |
21K11351
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
中原 英博 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 教授 (90514000)
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研究分担者 |
宮本 忠吉 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 教授 (40294136)
上田 真也 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (40616926)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 代替医療 / 心拍数 / 心理指標 |
研究実績の概要 |
本年度の計画は,鍼刺激が運動時の呼吸循環応答及び運動パフォーマンスに及ぼす長期的効果の検証を行うことであった。 しかしながら,呼吸器の測定及び長期にわたる呼吸循環応答の測定は,コロナウイルス感染症(COVID19)の影響で大きく制限されたため,昨年度に続き,長期的且つ安全に生体に求心性刺激を与える,鍼灸の方法論の確立に重きを置き実験を実施した。 男女23名の健常な被験者を対象に,15分間のピンポイント温熱刺激を実施し,循環応答及び心理応答を評価した。心理指標は,覚醒度と感情価をそれぞれ10段階で評価した。被験者は,仰臥位の状態で,温熱刺激を与えない条件(contorol条件)と49℃の温熱刺激を与える条件(stim条件)をランダム順序で実施した。心拍数について,二元配置の分散分析を行った結果,刺激と時間の有意な交互作用効果が認められた(F=3.6,p=0.005)。また,有意な刺激の主効果が認められた(p<0.001)。心理指標については,stim条件の覚醒度が,control条件と比較して有意に高値を示した(p=0.002)。一方,両条件の感情価には,有意な差は認められなかった。 本年度の研究の結果,49℃のピンポイント温熱刺激は,徐脈効果をもたらし,その効果は時間の経過とともに顕著になることが明らかになった。さらに,心理指標の結果から,温熱刺激がもたらす徐脈効果は,快適な感情によってもたらされる,いわゆるリラックス効果とは異なる機序でもたらされることが示唆された。 本研究で明らかにされた方法論を用いて,ピンポイント温熱刺激が運動後の呼吸循環器系にもたらす応答の検証を次年度に行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究業績の概要にも記載したが,呼吸器の測定及び長期にわたる呼吸循環応答の測定は,コロナウイルス感染症(COVID19)の影響で大きく制限された。しかしながら,徐々に改善されているために,一昨年・昨年で検証した方法論を用いて,運動時の呼吸循環応答及び運動パフォーマンスに及ぼす長期的効果の検証を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
心拍数を運動中,そして長期的にモニターするデバイスを購入し,長期にわたる循環応答の評価を可能にする準備を進めている。呼吸応答については,実験室に備えついている呼気ガス分析装置のメンテナンスを終え,いつでも測定可能な状態になっている。また,感染症の広がりを防ぐために,マスクを複数用意している。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の影響で,運動中及び長期的な呼吸循環応答の測定が困難であったため,期間延長の届けを提出し,次年度に予算を繰り越した。
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