本研究で計画している研究1から5のうち,以下の研究を実施した. 【研究1:大学野球選手を対象としたスポーツによる肘関節内側障害の分類】概要:比較的均一な母集団と考えられる大学野球選手を対象に、野球歴・既往歴・現症(疼痛や傷害の有無)・全身の運動器メディカルチェック項目(関節可動域、弛緩性、筋力、圧痛、各種ストレステスト)、肘関節エコー検査、肘関節高分解能MRIを実施し、データを解析する。肘関節エコーでは、自然肢位・3kgの外反ストレスの負荷したときの関節裂隙の開大距離、靭帯長、靭帯厚の測定を臥位および座位で実施した。選手を症状別に群分けし、症状と関連する項目を抽出した。【研究2:モーションキャプチャーによる肘関節角度変化を用いた肘関節不安定性の推定とMRI・エコー所見の対比】概要:研究1の被検者のうち、既往歴・自 覚症状・画像所見の異常のあるUCL損傷群6といずれも存在しない非損傷群6名を抽出し、光学式モーションキャプチャーシステムを使用して投球側上肢の動きを 解析し、両群で標識の変位角度の差異を検討することで肘関節不安定性の指標となるかを検討した。【研究3:肘関節内側の経年的変化と障害発生時の所見に関する縦断的研究】概要:大学野球選手のメディカルチェックとして入学時より定期的・継続的に研究 1のデータを取得する。4月、9月、1月の年3回データを蓄積し、各選手のデータの変化を縦断的に検討した。障害発生時には即時に臨時メディカルチェックを実施し、データを取得した.
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