本研究は、体育・スポーツ史と神道史、皇室史を架橋する視座のもと、「奉納競技」としての「神前(祭典)スポーツ」の近代的展開や神社・皇室との密接な関係という、これまでにない観点から総合的研究を進め、日本スポーツ文化の特質と構造の一端を解明したという点で、主に近代日本体育・スポーツ史研究の進展に寄与する成果となるであろう。 また、本研究における「奉納競技」や神社・皇室との関係からスポーツ文化を検討する視点は、国際比較研究を行う上でも共有可能な方法になり得るとともに、その成果は、国内的・国際的両文脈が交差してきた日本スポーツ文化の内実について、国内外社会に情報発信する際に有益な知見になると思われる。
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