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2023 年度 実施状況報告書

スポーツ選手のエネルギー不足を感知するサロゲートマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K11369
研究機関順天堂大学

研究代表者

黒坂 裕香  順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (30633002)

研究分担者 難波 秀行  日本大学, 理工学部, 准教授 (80559790)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードアスリート / エネルギー摂取量 / 生体指標
研究実績の概要

スポーツ選手のエネルギー不足は、男女ともに深刻な問題である。エネルギー摂取量とエネルギー消費量を精度高く測定することによって、エネルギー摂取量の過不足をある程度捉えることが可能であるが、測定にあたっては選手やスタッフの負担も大きく、多くのスポーツ現場では、頻繁に行うことは現実的ではない。したがって、現場レベルでは、スポーツ選手は体重や体調の変化を待たずして、自分のエネルギー摂取量が適切か否かを判断する手段を持たず、その間に競技や健康への悪影響が生じかねない。エネルギー不足に陥っていることを認知する手段に乏しいことは、競技パフォーマンスの向上を阻むのみならず、健康を害することにもつながる問題である。しかしながら、こうしたエネルギー摂取量のアンバランスに気づくための生理学的評価方法は確立されておらず手探りである。
そこで、本研究は、血液による利用可能エネルギー不足を反映できる新規のサロゲートマーカー(代替マーカー)を同定することを目的とした。これまで、症状として問題が深刻化してくる前に把握することが困難であったスポーツ選手の食事の過不足の問題を、血液で評価する指標を開発し、新たな栄養評価の方法を提案することを目指している。
令和5年度は、運動部に所属する男子大学生の血液データとエネルギー摂取量との関係を解析し、遊離型トリヨードサイロニン(FT3)、白血球数、中性脂肪(TG)の組み合わせにより、基礎代謝量当たりのエネルギー摂取量を60.4%説明できることを報告した。食事調査に基づくエネルギー摂取量の測定の代替や欠点を補うために活用できると思われるが、現場活用に向けて、さらなる研究の蓄積が必要である。引き続き、これまでの食事調査と活動量調査のみでは正確な把握が困難であったスポーツ選手の食事の過不足の問題を血液で評価する指標を開発し、新たな栄養評価の方法を提案することを目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間を延長し、再計画したことで、研究開始初期の遅れは解消しつつある。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、追加実験を行いながら、エネルギー不足を感知するサロゲートマーカーの探索を進める。継続している基礎調査・測定のデータと血液サンプルを用いながら、妥当性・再現性を確認するための分析を実施する。
本研究課題により得られた結果をまとめ、結論を導き出す。

次年度使用額が生じた理由

支出を予定していた論文掲載費等の費用を別資金より助成をうけたため、次年度使用額が生じた。
また、本研究課題の費用から購入予定であった研究機器が別予算より購入できたため、次年度使用額が生じた。
追加実験と、次の論文投稿の費用に使用する計画である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Blood biomarkers for estimating energy intake in Japanese male collegiate athletes: a pilot study2023

    • 著者名/発表者名
      Kurosaka Yuka、Nagasawa Takaaki、Minato Kumiko、Hasegawa-Tanaka Tomomi、Naito Hisashi、Wakui Sawako、Machida Shuichi
    • 雑誌名

      BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation

      巻: 15,150 ページ: ー

    • DOI

      10.1186/s13102-023-00765-6

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 男子大学生アスリートの栄養摂取状況と食品群別摂取頻度による評価点との関連性2023

    • 著者名/発表者名
      永澤 貴昭、黒坂 裕香、田中 智美、町田 修一、湊 久美子
    • 雑誌名

      和洋女子大学紀要

      巻: 64 ページ: 97~105

    • DOI

      10.18909/00002097

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 女子大学生のライフスタイルと身体活動量・体力・身体組成の関係2023

    • 著者名/発表者名
      難波秀行, 黒坂裕香, 湊久美子.
    • 雑誌名

      千葉体育学研究

      巻: 43 ページ: 31-34

  • [雑誌論文] 大学生スポーツ選手における居住形態と食事摂取状況との関係 ―順天堂大学スポーツ健康科学部の調査 から―.2023

    • 著者名/発表者名
      黒坂裕香, 黒澤駒里, 涌井佐和子, 内藤久士, 町田修一.
    • 雑誌名

      順天堂スポーツ健康科学研究

      巻: 14 ページ: 1-10

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Characteristics of visceral fat area and blood properties of Japanese overweight male university athletes.2023

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa-Tanaka T, Sasabe S, Zempo-Miyaki A, Kurosaka Y, Kitayama T, Machida S.
    • 学会等名
      European College of Sport Science.
  • [学会発表] 大学生男子陸上競技投擲選手の体組成と血液マーカーに関する縦断的研究.2023

    • 著者名/発表者名
      北山智大, 黒坂裕香, 高梨雄太, 町田修一.
    • 学会等名
      日本陸上競技学会 第21回大会
  • [学会発表] 大学陸上長距離選手における長距離走前後の筋硬度と主観的筋疲労との関係性.2023

    • 著者名/発表者名
      堀内郁哉, 黒坂裕香, 蔭山和敬, 長門俊介, 仲村明, 町田修一.
    • 学会等名
      日本陸上競技学会 第21回大会
  • [学会発表] プレショートインターバル走がペースランニング後の血中乳酸濃度に及ぼす影響.2023

    • 著者名/発表者名
      蔭山和敬, 四釜峻佑, 黒坂裕香, 長門俊介, 仲村明, 町田修一.
    • 学会等名
      日本陸上競技学会 第21回大会
  • [学会発表] 大学生スポーツ選手は、食堂の定食において選べる副菜の小鉢数を増やすことで野菜の選択率は増加するか?2023

    • 著者名/発表者名
      田中智美, 膳法亜沙子, 山内俊敬, 鈴木重德, 涌井佐和子, 黒坂裕香, 町田修一.
    • 学会等名
      日本スポーツ栄養学会第9回大会
  • [学会発表] 大型スポーツ選手の代謝異常改善のためのオンライン栄養教育による介入効果の検証.2023

    • 著者名/発表者名
      田中智美, 岸昌代, 黒坂裕香, 町田修一.
    • 学会等名
      ジャパンミルクコングレス 2023.

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公開日: 2024-12-25  

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