研究課題/領域番号 |
21K11399
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
橋口 泰一 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (90434068)
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研究分担者 |
大嶽 真人 日本大学, 文理学部, 教授 (90338236)
菊原 伸郎 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90319591)
伊佐野 龍司 日本大学, 文理学部, 准教授 (00734112)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | パラスポーツ / コーチング / インタビュー |
研究実績の概要 |
本研究は,視覚障害者スポーツを対象にした「競技パートナースキル指標」を実践現場から帰納的に集約した上で体系化し,その指導プログラムの開発を目指す。その中で,視覚障害者のスポーツを支える競技パートナーは,どのようなスキルが必要なのか,それは,どの段階で,どのようなスキルを備えるべきなのか,競技パートナーの育成には,どのような指導方略が必要なのかといった研究上の問いに対して検討,分析するものである。これは,視覚障害者スポーツを支える人的環境整備における喫緊の課題の解決を目指すものであり,ひいては視覚障害者のスポーツ参加や継続等の実施率に貢献するものである。 本研究は,これまで行ってきたブラインドサッカーにおける言語教示やゲーム分析等の研究を土台とした視覚障害者スポーツ,パラスポーツにかかわる人を対象とした研究である。 今年度は,視覚障害者スポーツ競技に関与した大学生スポーツボランティアを対象に,介助支援以上の機能の必要性が示唆されている現状を鑑み,ボランティア自身の認識および今後のボランティアの参画の在り方に向けた基礎的な資料を得ることを目的としてインタビュー調査した。その結果,パラスポーツの実施率向上に資するための一要因として,普及段階に対する大学生ボランティアを継続的な参加を見据えた計画的なアプローチの必要性が示唆された。パラスポーツと大学とのボランティア育成に関する連携のあり方に言及する論考は少なく,当事者の語りや個々の事例から帰納的に,その方向性を定位していくことの必要性も示唆された。また,今後のボランティアには,眼前の現象の出立に至る意味や価値を捉える高次の認識と障害に対する専門的な知識に加えて,パフォーマンス発揮を促すコーチングに必要な専門的知識の必要性があろう。未だ内部資料であり,研究発表まで至っていないが,令和4年度に発表していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を進める上での質的な分析は,必要となる支援者にインタビュー調査を行った。令和4年度に向けて,視覚に障害のあるアスリートやパラアスリート,指導者,支援者へのインタビュー調査の調整,インタビューガイドの作成,基礎的なインタビュー等について行った。なお,インタビューガイド等の作成にあたり,その都度コーチやスタッフと,トレーニング環境,コーチや支援者,ガイドの成長や変化について,ヒアリングを実施した。現在,分析を実施されており,様々な知見が得られている。 しかしながら,今年度は東京2020パラリンピックおよび北京2022パラリンピックが同年度に開催され,多方面のコーチ,スタッフ,支援者等のインタビュー調整・調査の進みが遅かった。また,これまでのインタビューデータについては,基礎的な分析にとどまっている。また,新型コロナウィルス感染症の影響等により,国内の調査は実施できたものの,国外における基盤調査を実施することができなかった。 研究発表については,国内外の研究者とディスカッションから今後の研究発展のための知見を得ることができ,現在投稿論文を作成している。引き続き,関連学会への論文投稿に向けて準備を進めている。 なお,研究実施にあたり,日本ブラインドサッカー協会,国内外のアダプテッドスポーツ関係者や研究者と情報交換や進捗状況についての会議を緊密に実施した。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は,関連する研究者との国外における視覚障害者アスリートやコーチ,スタッフ,支援者等とのインタビュー調査を実施し,これまでの研究と複合的な検討をするための調査を実施する予定であった。しかし,新型コロナウィルス感染症に加え,東京2020パラリンピックの延期による開催,北京2022パラリンピックにより,競技場面で活躍するパラアスリートやコーチ等の調整が難しかった。 令和4年度は,これまでの基礎的な分析及び調査をもとに,研究分担者・協力者と連携を図りながら,パラアスリートやコーチ,スタッフ,支援者等との対面・オンラインを交えながら,インタビュー調査を実施する。 現在,インタビューガイド等の作成にあたり,その都度コーチやスタッフと,トレーニング環境,コーチや支援者,ガイドの成長や変化について,ヒアリングを実施れており,様々な知見が得られている。 日本ブラインドサッカー協会を始め,アダプテッドスポーツ競技団体関係者と検討を行い,今後の研究を進める上での基礎的な資料の作成を行う。今年度は,関連学会での論文投稿を目指し,これまでの研究成果を中間報告書として作成し,国内外の関連学会にて発表及び論文を投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査の実施が不充分であったことにより,インタビューにかかわる経費の執行が少なかった。次年度は,インタビュー調査を実施し,インタビューデータのテープ起こし,データ処理に関する費用に充てる。 令和4年度は,これまでの基礎的な分析及び調査をもとに,研究分担者・協力者と連携を図りながら,パラアスリートやコーチ,スタッフ,支援者等との対面・オンラインを交えながら,インタビュー調査を実施する。物品については,分析用パソコン,統計処理ソフト,オンライン用の録音機材等を研究計画に応じて購入をする。綿密な研究計画,研究の遂行のためには研究打ち合わせがかかせないが,セキュリティ対策を講じたインターネット会議で対応する。また,インタビューデータのテープ起こし,データ処理に関わる費用等の経費が必要となるため人件費も計上されている。今後も国際情勢が不透明ではあるが,その方面に精通した国内研究者との連携,国外での調査の可能性も考えつつ,研究を遂行していきたい。
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