研究実績の概要 |
今年度は、試作した下半身陰圧負荷装置を用いて0, 10, 20, 30mmHgの下半身陰圧をかけた際の前腕部における総酸素化ヘモグロビンミオグロビン濃度を測定し、陰圧の大きさに対する総酸素化ヘモグロビンミオグロビン濃度の変化速度とランプ負荷による自転車運動時の脱酸素化ヘモグロビンミオグロビン濃度の増加速度について予備実験を実施した。対象者は健常な成人男性6名であった。全ての対象者は、下半身陰圧負荷装置を用いて0, 10, 20, 30mmHgの下半身陰圧をそれぞれ3分間実施し、深指屈筋における総酸素化ヘモグロビンミオグロビン濃度を測定した。また、下半身陰圧とは異なる日に自転車エルゴメーターを用いたランプ負荷(20W/min)による漸増負荷運動試験を実施し、肺酸素摂取量および外側広筋における脱酸素化ヘモグロビンミオグロビン濃度を測定した。その結果、圧の大きさに対する総酸素化ヘモグロビンミオグロビン濃度の変化速度とランプ負荷による自転車運動時の脱酸素化ヘモグロビンミオグロビン濃度の増加速度の間に正の相関関係が観察された(r=0.648,対象者が少ないため無相関検定は実施せず)。ただし、試作した下半身陰圧負荷装置の気密性が目標よりやや不足していたため、この点についてはやや改良の必要が認められた。
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