研究課題/領域番号 |
21K11421
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
高澤 祐治 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 教授 (00407280)
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研究分担者 |
宮森 隆行 順天堂大学, 保健医療学部, 講師 (40433784)
西尾 啓史 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 非常勤助教 (90866906)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スポーツ外傷・障害 / 大学アスリート / 多職種間連携 / 難治性膝蓋腱炎 / 再発 / 膝前十字靱帯損傷 / 患者報告型評価法 |
研究実績の概要 |
2021年度は、研究課題のうち、主に以下の成果を得ることができた。 1.大学アスリートにおけるスポーツ外傷・障害の情報基盤の構築:学内アスリートを対象にしたクリニックにおいて、受診者、傷病名、受傷起点、治療内容、競技までの復帰期間などについて記録し、附属病院における医療情報と連携させながら蓄積している。また、学内アスレティックトレーニングルーム(ATR)では、新たな情報データベースを導入した。さらに、医師6名、看護師2名、理学療法士6名、アスレティックトレーナー3名による定期的なカンファランス開催、有事発生の際の情報共有などにも取り組み、有機的な医療支援体制モデルが構築されはじめている。 2.難治症例および競技復帰後再発症例に対する取り組み:慢性的に膝蓋腱に疼痛を有する学内アスリートを対象に、①日本語版報告型評価法を作成し、その信頼性、妥当性、反応性および解釈可能性について検討(英語論文投稿中)、②拡散型体外衝撃波治療の経時的効果について検討(学会報告)、③剣道における"構え"との関連性について検討(学会報告)した。また、④術後や慢性疼痛患者を想定した血流制限下における運動療法の効果に関する検討(英語論文投稿中)、⑤再損傷の予防を目指した膝前十字靱帯再建術後の機能評価患者報告型評価法の開発と多職種連携における進展の可能性(学会報告)、⑥慢性足関節不安定症における筋制御と姿勢制御能力の関係性の解明(学内共同研究採択)等にも取り組んでいる。 3.NZオタゴ大学(Victoria Farmer博士)と、「膝前十字靱帯損傷患者における下肢運動パターン」について、データ共有に関する協定を締結した。 以上、スポーツ外傷・障害の再発や慢性障害に至る因子の解明、評価、スポーツ現場における多職種介入は治療成績向上の一助となり、新しい医療支援モデル発信に繋がると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度はコロナ禍であったが、学生アスリートは活動を再開し、またクリニックの受診者も増えている。研究体制も整備が進んでおり、現在、本研究課題については、おおむね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
現在取り組んでいる課題について、対象者を増やし、エビデンスレベルを高めることを検討している。また、アスリートにおける再発が多いことが知られている2つの疾患(肉ばなれ、疲労骨折)について、2022年4月より新たに学内での検診をスタートさせた。今年度はそのデータの蓄積と解析を行ってゆく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会がオンライン開催となったことで、出張に関わる交通費・宿泊費の出資が少なかったため次年度使用額が生じた。次年度は学会や研究会への参加を再開させてゆく予定。
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