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2022 年度 実施状況報告書

水中バランス補助ブイ活用による水泳指導法の確立と学校水泳への長期導入の試み

研究課題

研究課題/領域番号 21K11432
研究機関大阪経済大学

研究代表者

若吉 浩二  大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (30191729)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード有浮力補助ブイ / 水中バランス / 水泳指導法 / 学校水泳 / 安全水泳 / 水平浮き身姿勢
研究実績の概要

我々が開発した骨盤側部から大腿側部にかけて浮力(8 N)を付加する水中バランス補助ブイ(スイムバランサー,以下SB)の特徴は,水中での水平姿勢において浮心重心間距離を短縮し,水平姿勢が容易に取りやすくなる.そこで,本研究では,SBを小学校の水泳授業に導入し,その有効性を検証した.導入した学年は2年生および3年生である.
2年生では,SBを装着することで腰回りの浮力を高め足が大きく沈まずに,一直線に近いストリームラインを作り出し,「け伸び」での推進力が増した児童が多く見られた.また,顔を水につけることや水中で息を吐くことが出来ない児童も,SBとビート板を使って5~10m程,けのび・バタ足で進むことが出来るようになった.そして「浮く」ことでは,ある程度の泳力を有している児童の多くが大の字で15秒以上浮くことができた.さらに,学年の半数以上の児童が背浮きを出来るようになった.
3年生では,最初の手応えとしては,「姿勢が保ちやすい!」「着けると浮きやすい」という声があった一方で,「思ったより浮かない」「腰が浮くから顔がしずんで怖い」という声も少なからずあった.しかしながら,多くの子どもがSBの効果を実感したのは,「浮く・もぐる」から「浮いて進む」のけ伸びやけ伸びバタ足である.SBを使用することで姿勢が保持しやすくなり,「スーッと進めた!」「体が浮かんでいる感じがする」と,浮いて進む感覚を掴むのに手応えを感じる児童が多かった.また,スイミングスクールに通い,泳ぎにはある程度自身があった児童にも,「着けることで泳ぎやすくなった」と効果を実感する声が多かった.
よって,低学年および中学年において,SBは,児童の不安を和らげ,泳力に関係なく「浮く」・「浮いて進む」水泳学習に有効な水泳補助具であるといえよう.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

小学生を対象にした研究は予定通り進行している。しかしながら、障がい者、とりわけ肢体不自由者を対象とした研究成果は十分に得らえていない。

今後の研究の推進方策

今年は、2か所もしくは3か所の小学校の夏季水泳授業に介入し、開発した水泳補助具を活用し、中学年対象では「浮き身」と「水中移動」の基本的な習得方法、そして高学年では「平泳ぎ」や「クロール」の習得方法の研究を進める。
障がい者対象にした研究では、日本パラ水泳連盟と連携し、競技レベルの低い選手を対象に補助具の活用方法の検討を行うとともに指導法の作成に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

2022年度は、コロナ感染状況下において十分に研究の遂行できなかったことから、その分を2023年度に請求し、研究を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 水中バランス補助ブイ装着が一般学生の泳パフォーマンスに及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      若吉浩二、渡邉泰典、森山進一郎
    • 学会等名
      日本水泳水中運動学会
  • [学会発表] スイムバランサー活用による学校での水泳指導法の可能性についての研究2022

    • 著者名/発表者名
      篠原 健真,若吉 浩二,松井 敦典
    • 学会等名
      日本水泳水中運動学会

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公開日: 2023-12-25  

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