研究課題/領域番号 |
21K11440
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
室井 愛 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10709215)
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研究分担者 |
森 利雄 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (30833826)
丸島 愛樹 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40722525)
高橋 利英 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (50881562)
鎌田 浩史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60518801)
松下 明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (80532481)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳振盪 / 自律神経機能 / 脳幹機能 / 瞳孔測定 |
研究実績の概要 |
脳振盪は頭部打撲後の一過性の神経機能障害だが、その病態には不明な点も多い。脳振盪後に出現する症状は多彩であるが、前庭-動眼系の障害や自律神経障害など、脳幹に関連するものも多い。本研究の目的は脳振盪における脳幹機能障害の実態を明らかにすることである。 脳幹機能を示す指標として、瞳孔系・収縮率・収縮速度などの項目からなる瞳孔機能評価、重心動揺計、心拍モニタリング下の起立テストによる自律神経機能評価、MRIでのdiffusion tenror imagingによる脳幹の神経線維評価などを設定した。脳振盪患者においてこれらの項目を前向きに評価するため研究計画書を作成し倫理委員会に申請し受理されている。脳振盪急性期の患者を登録しデータの収集を開始している。 起立テストでは心電計を用いて心拍モニタリングを行い、専用ソフトウェアを用いて心拍変動解析を行う。起立テストのプロトコールもこれまでの文献などをもとに作成した。 まだ登録症例は少ないが、データの解析を行った。脳振盪後ほとんどの患者で正常群に比較して自律神経機能は障害されており高いストレス状態にあると考えられた。心拍変動解析による様々な指標と瞳孔測定の結果に相関はみられた。一方症状の重症度や回復具合との相関は現時点では確認できていない。これらは今後症例を積み重ねて検討していく予定である。 また、これら脳幹機能の指標が正常や非脳振盪の頭部への衝撃後でどのようにみられるかを評価するために、ヘディングを用いた研究を計画し、こちらも倫理委員会で研究計画が受理され今後研究を開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前向き研究はすでに症例の登録を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
対象となる脳振盪患者に研究の説明を行い、さらに症例登録を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
瞳孔測定計などの購入を予定していたが、瞳孔測定の備品を使用できたため使用しなかった。また、コロナウィルスの流行により情報収集のための学会参加などができなかったため2021年度に使用した額が予定より少なかった。 研究が順調に進んでいるが、測定をさらに増やすため2022年度に瞳孔測定計や心電計などの購入を必要に応じて行う。
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