研究課題/領域番号 |
21K11449
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研究機関 | 北翔大学 |
研究代表者 |
川西 正志 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (50177713)
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研究分担者 |
萩 裕美子 東海大学, 体育学部, 教授 (20237902)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | コロナ禍 / 小中学生 / 運動・スポーツ / 総合型クラブ / 学校部活動連携 / エンパワーメント評価 |
研究実績の概要 |
本研究は「コロナ禍における小中学生の体力向上を目指した運動・スポーツのプログラムの事業実施及び運動部連携状況に関する総合型クラブ(総合型地域スポーツクラブの略称)のエンパワーメント評価を明らかにし,クラブ組織運営の基盤強化策を提案すること」を目的とする.日本では,新型コロナウイルスが令和2年1月に感染例が確認されて以来,今なお感染が継続し,とりわけ,青少年を取り巻く健康及び運動・スポーツ環境は,必ずしも従来の活発な状況であるとは言えない.本研究において,2年目にあたる令和4年度は,前年度末の2月~3月に(公財)日本スポーツ協会と全国SC連絡協議会の協力を得て実施した全国の総合型クラブのインターネット調査データの分析を行った.調査は,全国のSC連絡協議会に登録されている総合型クラブの2,690クラブを対象とし,全国44都道府県の332クラブから回答を得た.令和4年度は,これらのデータの分析結果について,日本生涯スポーツ学会で口頭発表するとともに,結果概要の政策的評価については,大学紀要にまとめた.当初予定のインタビュー調査は,コロナ禍であったこともあり,計画通りの動きが十分に取れず,3月に福岡県だけ実施することができた.本調査結果の概要で政策実現に向けた現状評価に本調査結果を用い,クラブの法人格,クラブマネジャー設置率.子ども運動・スポーツプログラム事業の実施率,部活動の休日の地域移行化への対応について政策的観点から,その評価をまとめ,多くの量的・質的課題があることも明らかになった.学会発表では,クラブのエンパワーメント評価とクラブの部活動の連携に関する意見の質的分析について報告した.次年度は,今後データの詳細な分析を実施するとともに,北海道を中心に部活動との連携状況について総合型クラブへのインタビュー調査を実施し,学術誌への論文投稿を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の研究計画における総合型クラブ調査は,予想より回収数が少なかったものの,全国の総合型クラブを調査対象に実施することができ,分析を進める上で様々な状況を見て取れる貴重なデータとなっている.また、今年度のインタビュー調査も福岡県の行政担当局と1クラブについて実施し,行政・学校・クラブとの連携強化のための具体的なクラブのマネジメント方法を聞くことができた.次年度は,事例抽出基準を満たす北海道等のクラブを中心に,クラブの組織エンパワーメントと部活動連携への取り組みに絞ったインタビュー調査を実施予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,今年度の調査分析結果を受けて次年度の調査の詳細な更に分析をしていく中で,地域と学校の連携が進んでいるクラブの組織運営に関するエンパワーメントの評価を多面的に検証していく.また,部活動との連携に関して肯定的評価と否定的評価をしているクラブの連携に関する意見の詳細な質的分析を実施し,それらの研究成果を学会等で発表し、学術誌へ投稿を予定している.2年目の今年度に計画していたクラブの事例調査は,コロナ渦で当初予定の実施が難しい状況であったため,昨年度実施した調査データに基づいて,北海道を中心に抽出基準を満たしている具体的な調査計画を次年度に立案し実施していく予定である.また,海外事例としてドイツのクラブでの青少年スポーツの学校連携について具体的なマネジメント内容を比較検討する.研究全体として,今年度の調査計画を次年度に予定通り実施できることによって当初の研究目的を達成できる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、国際学会では本務とコロナ渦での日程調整が難しく発表旅費及び対面でのインタビュー調査を次年度に繰り越したため、そのための旅費が繰り越しとなっている。次年度はインタビュー調査の旅費及び海外での調査データとの比較考察を進めるため海外との比較可能な資料収集と研究データ収集のための海外旅費を計画している。
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