研究課題
高濃度の人工炭酸泉浴(CO2泉浴)は浸漬部の筋組織硬度を低下させ、また、筋疲労回復を促進させる(Yamamoto, et .al. 2017)。本研究では、高濃度CO2泉下腿浴が等尺性足底屈力及び足背屈力の立ち上がり率(Rate of force development、 RFD)に与える影響について検討を行った。被検者は健常な男子大学生6名であった。被検者には下腿浴前後に右腓腹筋周辺部の筋組織硬度をelastographyにて計測した。左右の等尺性足底屈・足背屈最大トルクは新たに開発した足底屈・足背屈筋力計にて測定した。下腿浴は、不感温度である35℃の人工炭酸泉(CO2泉浴)または水道水(tap浴)とし、10分間入浴した。入浴後の筋組織硬度はCO2泉浴がtap浴より有意に増加していた(3.26±1.52 vs 7.82±3.91、p<0.05)。しかしながら、RFDには有意な変化は見られなかった。最大筋力は静的ストレッチ後に低下するとの報告がある。CO2泉浴は筋の柔軟性を促進させるが筋出力には影響しなかった。CO2泉が新たなコンディショニング法として有効と考えられる。さらに、自律神経機能を賦活させる作用がある、精油を用いた香り吸引によるRFDの変化についても検討中であり、CO2泉との融合による相乗効果が期待される。
4: 遅れている
Covid-19の影響により、被検者の公募や検者の選定が滞り、予定していた実験が大幅に遅れている。しかしながら、研究分担者と連携を図りながら予定している実験を遂行する計画である。
研究分担者との連携をさらに密にするとともに、被検者および検者の公募と選定を加速する予定である。また、試料や人件費の高騰などの影響はあるが、実験環境を整え、計画している実験を行っていく。
Covid-19と測定機材の破損と修理に時間を要したため、当初予定よりも研究計画が遅れている。今後は、実験の実施、データの分析と解析を分担研究者とさらに密な連携を取り、次年度への実験費用支出として合わせて使用する。
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