研究課題/領域番号 |
21K11456
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
大迫 正文 東洋大学, 健康スポーツ科学部, 教授 (60152104)
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研究分担者 |
中井 真悟 常葉大学, 健康プロデュース学部, 講師 (10825540)
藤川 芳織 昭和大学, 歯学部, 助教 (60805943)
柴田 俊一 北海道医療大学, 歯学部, 客員教授 (80187400)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ラット / 後肢加重低減 / 骨量減少 / VP通電刺激 / 組織学的分析 / 免疫組織学的分析 / 形態計測 / 骨量維持効果 |
研究実績の概要 |
背景および目的: 令和4年度には、VP通電装置の有効な通電条件について検証し、電流、周波数はともに高い方(それぞれ5A、200kHz)が有効であった。しかし、将来的に社会実装を考慮すると、小型軽量の方が理想的である。電流は大きいほど装置は大型となるが、周波数は高いほど小型化が可能となる。このことから、今年度は高い周波数(650kHzまで)のVP通電刺激の効果について検討した。 方法: 材料として雄性ラット120匹を、後肢懸垂群(HS)、ベクトルポテンシャル通電刺激群(VP)および対照群(CO)3群に分類した。VPはさらに周波数別に2kHz(VP2)、20kHz(VP20)、200kHz(VP200)および650kHz(VP650)に分類した。HSとVPは、尾部をケージの天井から3週間吊して飼育し、VPはさらに麻酔下で1日30分、5日/週、3週間の通電刺激を与えた。通電条件は、交流、5A、周波数は2、20、200または650kHzとした。実験期間終了後、各群のラットを安楽死させ、大腿骨を摘出した。通法にしたがって脱灰パラフィン切片、非脱灰樹脂研磨標本を作製し、種々な染色を施して組織学的および免疫組織学的に観察した。また、他の標本は次亜塩素酸ナトリウムにて処理した後、それを肉眼的ならびに走査電子顕微鏡で観察した。さらに、他の標本を用いて、非脱灰超薄切片を作製し、形態計測を行った。 結果および考察: 大腿骨の遠位骨幹端における海綿骨の上下的な幅は、HSはCOより減少した。しかし、VP2から周波数の上昇とともに増加するが、VP650では再び減少した。骨梁幅や骨密度に関してもまったく同様な結果が得られた。このように、VP通電刺激による骨量の維持効果は高い周波数で良好な結果がえられるが、650kHzで減少することから、至適周波数は200~650kHzの間にあるものと推測された。
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