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2022 年度 実施状況報告書

筋血流の可視化による徒手的な施術の医学的効果の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K11457
研究機関日本体育大学

研究代表者

松田 康宏  日本体育大学, 保健医療学部, 准教授 (20760200)

研究分担者 小野 弓絵  明治大学, 理工学部, 専任教授 (10360207)
服部 辰広  日本体育大学, 保健医療学部, 准教授 (20739768)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード手技療法 / 筋血流計測 / 光計測 / 生体医工学 / 可視化
研究実績の概要

筋過緊張状態の治療やスポーツ選手のコンディショニングでは,擦る,揉む,押す,叩くなどの手技療法やストレッチングなどの「徒手的な施術」が用いられている。これらの研究領域は,他の医学分野に対して立ち遅れ,計測方法や評価方法がいまだ確立されていない。本研究は,筋血流の評価システムの開発と徒手的な施術によってもたらした局所や全身の筋血流の変化について検討し,科学的根拠をもとに明らかにすることを目的にしている。
2022年度では,2021年度に開発を進めてきた複数の体表部位から筋血流応答の計測を可能とした拡散相関分光法(Diffuse correlation spectroscopy: DCS) の2点同時計測システムを用いて手技療法を施した筋とその他の部位を計測した予備実験及び本実験を遂行することができた。実験では被験者に協力を得て右僧帽筋部に5分間の手技療法を施し,左僧帽筋部には手技療法を施さない条件を設定し,手技療法前後における左右僧帽筋部の筋血流の変化を計測した。手技療法によって全身循環への影響は最小限としながらも手技療法を施した右僧帽筋部の筋血流が増加し,左僧帽筋部の筋血流が減少した。さらに増加した右僧帽筋部の筋血流は手技療法後から計測終了時の20分間は増加した状態を維持していた。また,筋血流計測部位における左右僧帽筋の筋硬度の変化は,手技療法を施した部位のみ筋硬度が減少していた。以上の結果と本研究に関する研究成果を学会発表7件として報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画の通りDCSによる筋の2点同時計測可能なシステムの作製により,複数の被験者を対象に手技療法を施した部位と施さない部位の筋血流計測を一定数の実験データを取得することができた。

今後の研究の推進方策

最終年度は研究計画の予定に沿って,手技療法の熟練者と臨床未経験者との手技療法の前後における施術筋の血流状態の変化や手技療法の術式の違いによる血流変化について研究を進める。データ取得後は分担研究者や研究協力者らとともにデータ解析を多角的に進めていく。

次年度使用額が生じた理由

実験に最適な機器の購入に際し厳正に選定をしているため,2022年度中の購入には至らなかった.選定が終了次第,物品の購入や被験者への謝金などにあて実験を効率的に進める予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 筋電気刺激による筋運動と随意筋運動における骨格筋血流動態の比較2022

    • 著者名/発表者名
      片桐誠, 中林美輝絵, 松田康宏, 一之瀬真志, 小野弓絵
    • 学会等名
      第61回日本生体医工学会大会
  • [学会発表] 筋電気刺激は同等の強度の随意運動と比較して局所的な酸素代謝および血流を促進する2022

    • 著者名/発表者名
      片桐誠、中林美輝絵、松田康宏、一之瀬真志、小野弓絵
    • 学会等名
      生体医工学シンポジウム2022
  • [学会発表] Sensing your mind by wearable devices: a challenge of Neuroengineering for human well-being2022

    • 著者名/発表者名
      Yumie Ono
    • 学会等名
      IEEE-NEMS2022
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 拡散相関分光法による組織血流イメージング:原理と応用2022

    • 著者名/発表者名
      小野弓絵
    • 学会等名
      第61回日本生体医工学会大会
  • [学会発表] 拡散相関分光法を用いた血液透析中の下肢筋血流動態の計測2022

    • 著者名/発表者名
      土屋智裕, 中林実輝絵, 髙山卓, 藤島理恵, 小島茂樹, 櫻田勉, 柴垣有吾, 一之瀬真志, 小野弓絵
    • 学会等名
      第61回日本生体医工学会大会
  • [学会発表] 拡散相関分光法と近赤外分光法の同時計測による局所筋の血流動態と酸素動態の評価2022

    • 著者名/発表者名
      中林実輝絵,一之瀬真志,小野弓絵
    • 学会等名
      第61回日本生体医工学会大会
  • [学会発表] 運動開始時の微小循環レベル酸素消費量~拡散相関分光法とNIRS法の併用~2022

    • 著者名/発表者名
      古賀俊策、中林実輝絵、廣田俊作、一之瀬真志、奥島 大、小野弓絵
    • 学会等名
      呼吸研究会

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公開日: 2023-12-25  

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