研究課題/領域番号 |
21K11459
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
北岡 祐 神奈川大学, 人間科学部, 教授 (30726914)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高強度インターバルトレーニング / ペーシング戦略 / メタボローム |
研究実績の概要 |
高強度インターバル運動における休息時間の違いがエネルギー代謝に及ぼす影響について検討するためにサラブレッド骨格筋のメタボローム解析を実施した結果、休息時間を十分に長く設定した条件では各運動の前後で代謝物質の濃度が顕著に変動したのに対し、休息時間の短い条件では運動を繰り返しても代謝物質の濃度変化がほとんどみられなかった。したがって、運動内容自体は同一であっても、休息時間の長さによって運動中の骨格筋におけるエネルギー代謝反応は異なることが明らかとなった。しかしながら、すべての運動が終了した後の代謝物質濃度には2条件間で差はみられなかった。これらの結果は、特にインターバル運動時には各エネルギー供給系の寄与率、つまり解糖系および酸化系の貢献度が必ずしも代謝物質の見かけ上の濃度変化には反映されないことを示唆していると考えられる。 次に、高強度運動の前半を速く後半を遅く走る条件(ポジティブペーシング)と前半を遅く後半を速く走る条件(ネガティブペーシング)を比較する実験をサラブレッドを用いて行った。まず、血漿中乳酸濃度は両条件ともに運動後にかけて増加したが、ポジティブペーシング条件の方がネガティブペーシング条件よりも高値であった。骨格筋において解糖系の代謝物質の濃度はポジティブペーシングの前半とネガティブペーシングの後半にそれぞれ増加したが、酸化系の代謝物質の濃度はペーシング戦略にかかわらず前半に増加してその後は変化しなかった。これらのデータから、運動中のペーシング戦略によっても骨格筋のエネルギー代謝反応は変化することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
運動による代謝物質の変動について、同一強度の運動を繰り返す高強度インターバルトレーニング中の時間変化を詳細に解析できたことに加えて、高強度運動におけるペース戦略の影響についても明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
骨格筋における代謝物質濃度の変動と血中における変動の関係性について検討を進めるとともに、骨格筋培養細胞の実験系を立ち上げて代謝物質の影響を詳細に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部の学術集会が通常の開催形態に戻らない状況が続いており、旅費の支出が少なかったことから次年度使用額が生じた。次年度の研究成果発表のための費用として使用する予定である。
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