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2022 年度 実施状況報告書

ジャンパー膝の予防と早期治療介入の検証~超音波とMRIを用いた検診の前向き研究~

研究課題

研究課題/領域番号 21K11464
研究機関筑波大学

研究代表者

西野 衆文  筑波大学, 医学医療系, 講師 (40581583)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードジャンパー膝 / 膝蓋腱 / 超音波 / MRI
研究実績の概要

本研究の目的は、ジャンパー膝の発症前から発症後までの経過における膝蓋腱の画像所見(超音波・MRI)の経時的な変化を明らかにし、予防や早期介入に繋げることである。
2022年度末までに、合計113人のアスリートが研究に参加した。1年以上の経過観察が可能であった83人165膝のうち、11人17膝(10.2%)は初回検診時にジャンパー膝と診断した。残り148膝中、期間中にジャンパー膝を発症した例は10人11膝(7.4%)であった。観察期間中にジャンパー膝を発症した発症群と非発症群に分けて初回検診時の画像所見を比較したところ、発症群はMRIで腱近位が有意に厚かった(US:5.9mm vs 5.1mm ; p=0.10, MRI:6.5mm vs 5.5mm ; p<0.05)。性状変化の陽性率は発症群で低エコー域(27.3% vs 3.6% ; p<0.01)と異常血流(54.5% vs 10.2% ; p<0.01)が有意に高く、MRI高信号変化は有意差がなかった(54.5% vs 28.5% ; p=0.07)。また、ロジスティック回帰分析では、超音波での異常血流が独立したリスク因子(オッズ比8.7 ; p=0.024)であり、回帰式の的中率は91.9%であった。
先行研究でも超音波の異常所見がジャンパー膝の発症予測因子となり得ると報告されているが、異常所見の内容について一定の見解がなかった。本研究では、発症前から膝蓋腱近位の厚さや腱内の低エコー域・異常血流に差がみられたが、中でも異常血流が統計学的に有意なリスク因子として抽出された。
以上より、入学時超音波検査での異常血流はジャンパー膝発症のリスク因子であり、検診によりハイリスク群を同定できる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

被験者含めた関係者の協力により検診は定期的に行うことができている。これまでのところは順調に新規対象と継続対象のデータが蓄積されてきている。これらの結果を基に解析を進めているところである。

今後の研究の推進方策

2023年度の新入生も追加し、検診および追跡調査を継続していく。また、前述のように超音波検査によりハイリスク群を同定できる可能性が示唆されたため、より実践的な検診を目指し、アスリートが活動する現場にも持参可能なポータブルエコーを調達し、現在使用している据え置き型の機器と同等の評価が可能であるか検証する。また、それまでの結果も含めて学会報告、論文化を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 超音波とMRIによるジャンパー膝発症予測に向けての前向き研究2022

    • 著者名/発表者名
      西田雄亮,西野衆文,田中健太,大西信三,金森章浩,山崎正志
    • 学会等名
      第95回日本整形外科学会学術総会
  • [学会発表] ジャンパー膝の超音波およびMRI所見の経時的変化2022

    • 著者名/発表者名
      西田雄亮,西野衆文,田中健太,大西信三,金森章浩,山崎正志
    • 学会等名
      第37回日本整形外科学会基礎学術集会
  • [学会発表] 大学バレーボール選手におけるジャンパー膝の特徴2022

    • 著者名/発表者名
      小滝智美,西野衆文,西田雄亮,田中健太,山崎正志
    • 学会等名
      第33回日本臨床スポーツ医学会会基礎学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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